BackNumber:媒体資料はどう作る?作成のコツをフィードバック

「理念は伝わったけれど、結局何をしてくれるサービスなの?」——左官業界のデジタル変革を目指すプロジェクトの営業で、顧客から投げかけられた率直な疑問。どんなに崇高なビジョンを語っても、相手に「何屋さんなのか」が伝わらなければ、営業は成立しません。本レポートでは、実際のロールプレイングを通じて浮き彫りになった営業プレゼンテーションの課題と改善のヒントを、リアルな顧客の声とともにお届けします。

こんな方に見て欲しい

  • 新規事業の企画・推進担当者
  • 伝統業界のデジタル化に取り組む事業者
  • プレゼンテーション・営業スキル向上を目指す方
  • 顧客視点でのサービス改善に関心のある方
  • 営業研修・人材育成に携わる方

1. 相談者(Y.K)の相談背景

Y.Kさんは「壁ダン」という左官業界向けWebプラットフォーム事業の営業責任者として、実際の営業場面でのプレゼンテーション改善に悩んでいる。左官業界の構造変革という大きなビジョンを掲げながらも、「理念は伝わるが具体的なサービス内容が伝わらない」という課題に直面している。今回、左官業者の春花さんを相手にロールプレイングを実施したところ、「結局何をしてくれるサービスなのか分からない」という率直なフィードバックを受け、営業アプローチの根本的な見直しが必要だと実感した状況である。

2. ディスカッションでの問題点


問題点1:サービス内容の不明確性

営業担当者は理念や業界の課題について詳しく説明したものの、「壁ダンが具体的に何をしてくれるサービスなのか」が最後まで明確に伝わらなかった。H.Rさんは「結局は何をしてくれるところなのかなっていうふうに思いました」と困惑を示し、企業ページ制作サービスなのか、Web運営会社なのか判断できない状態となった。

問題点2:プレゼンテーション構成の問題

目次や全体像の提示がなく、聞き手が「どこまでお話が続くんだろう、いつ本題が来るんだろう」と感じる構成となっていた。理念から入り、業界課題、サービス概要、料金体系の順序で進んだが、最重要な「何をするサービスか」の説明が後回しになり、聞き手の理解を阻害した。

問題点3:データの信頼性・根拠不足

月間ページビュー数やユーザー層の数値データを提示したが、「何をもとにした何の数字なんだろう」「いつ頃調べた数字なのか」といった根拠や調査時期の説明が不足していた。春花さんは数字の信頼性を重視する姿勢を示し、データの透明性向上を求めた。

3. フィードバックへの繋がり

H.Rさんからの率直なフィードバックは、営業プレゼンテーションの根本的な改善点を浮き彫りにした。「お話が上手なので私はすんなり入ってきた」と営業スキルを評価しつつも、構成面や具体性の不足を的確に指摘。特に「何屋さんなのかっていうのがあんまりわからないまま終わってしまった」という核心的な問題提起は、サービス説明の優先順位を見直す重要な示唆となった。最後に、伊藤からフィードバックで締めくくられ、さらなる改善に向けた建設的な議論の土台が築かれた。

弊社からのフィードバック

Y.K:どうもありがとうございます。左官業界のファクトと何をしてくれるところなのか。伊藤さん何かお気になるところがあれば教えてください。
伊藤:はい、そうですね。全体を通して目的と目標、それから手段とか方法に対する言及がぐちゃぐちゃで、曖昧だと思いましたので、そこがもっとクリアーになるといいかなと思いました。
伊藤:まさにH.Rさんから質問を受けて言葉に窮しましたね。つまり壁ダンのMVPは何かっていうことがパッと出てこないっていうのは非常に大きい。営業のプロセスとしては、ウェブサイトですよって言うとウェブ関係ないやって人が出ちゃうんで、それはあんまり良くないんですよ。
Y.K:MVPは何かとすると、価値の高い仕事を創出するっていうことですね。この活動を通じてお客さんにわかってもらう。価値の高い仕事をお客さんにわかってもらう、創出するということ。
伊藤:はい、そういうことです。生み出すっていうことですね。
伊藤:なので、そこを外してしまうとウェブよくわかんないし、俺は関係ないやっていう人が居たときに入ってくれないんですよ。なのでウェブは手段です。道具、手段。見せるための手段なのでそこを目的にしてしまうと大きな間違いを起こすと思います。
伊藤:それからあと2つお伝えします。1つがLPのところの内容ですね。ワンプライスのところなんですけど、失注の言及はやはりいらない。聞かれたら答えてください。なんで失注しないかっていうところがフォーカスすべきポイントだと思います。
伊藤:よくあるのが、引っ越しとかもありますけども、一括見積もりみたいなものがあるんですけども、それは問い合わせ来るけども殆どが失注するんですよね。我々はなぜ失注しないかっていうと、その企業の特色を活かしたページの作成をしているからですね。属性が違うという曖昧な表現は避けたほうがいいですね。そこにめちゃくちゃ注力しているんで、そこを厚めに伝えて行く必要がある。
伊藤:なので、よくある他のサイトとは違うよっていうことです。
Y.K:その企業の特徴を活かしたページ作りをしているので、その辺の一括見積もりサイトでここは安い高いっていうそういうサイトではないですよ、ということです。
伊藤:長いですね。
Y.K:長いですね。
伊藤:Y.Kさんだけで、約1時間使っちゃってるね。
Y.K:そうですね。48分使ってます。
Y.K:H.Rさんごめん。H.Rさんどうぞ。

この記事のまとめ

今回のケースで浮き彫りになったのは、理念先行で具体性が不足する営業の課題と、それを率直に指摘してくれる顧客の貴重さです。Y.Kさんが感じた「理念は伝わるのに、具体的なサービス内容が伝わらない」というもどかしさは、新規事業や革新的サービスの営業担当者なら誰もが経験する心理的葛藤でしょう。
同じような状況にある方は決して一人ではありません。顧客の率直な声は痛みを伴いますが、それこそが成長の種です。Y.Kさんも、H.Rさんの貴重なフィードバックを糧に、きっと素晴らしい営業力を身につけられるはずです。

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