各社課題と向き合う 事業再構築の内装問屋のDX化 2025年6月

「職人の世界」から「消費者の選択」へ。伝統的な壁紙業界に一石を投じる挑戦が始まっています。事業再構築補助金を活用し、デジタルの力で業界の常識を変えようとする企業の奮闘記録です。サイトへの関心は高まっているのに、なぜ最後の購入まで繋がらないのか。この「ラスト1マイル」の壁を乗り越えるヒントが、リアルな現場の声から見えてきます。

こんな方に見て欲しい

  • 事業再構築補助金を活用して新規事業に挑戦している経営者
  • 伝統的な業界のデジタル変革に取り組んでいる企業
  • BtoB事業からBtoC事業への転換を検討している事業者
  • 高単価商材のオンライン販売に課題を抱える企業

1. 相談の背景

壁紙卸業を営むT.Y様の企業では、事業再構築補助金を活用してデジタル化に挑戦中です。これまで職人による施工が常識だった壁紙業界で、一般消費者が直接壁紙を選んで体験できる新しい仕組みづくりに取り組んでいます。サイトでの関心は高まっているものの、実際の購入・施工まで繋げる「最後の1マイル」の課題解決が急務となっています。

2. 相談の要約

同社は従来の壁紙卸売業から事業転換を図り、消費者向けのデジタル体験提供に挑戦している。ブログ集客により1年間で顧客データを蓄積し、シミュレーションサイトも構築済み。実店舗も活用したオンライン・オフライン連携による顧客体験向上を目指している。しかし、壁紙という高単価商材の特性上、色味や質感の確認が困難で、かつ施工が必要という業界特有の課題により、サイト訪問から実際の購入・施工までの転換が困難な状況にある。

3. ディスカッションでの問題点

問題点1:顧客の認知・選択プロセスの複雑性
一般消費者は壁紙の種類の豊富さを知らず、業者任せの選択に慣れている。数万点のデザインから自分で選ぶという概念自体が浸透していないため、潜在ニーズの顕在化が困難。
問題点2:商材特性による購入障壁
壁紙は色味・質感が重要でオンラインでの判断が困難な高単価商材。加えて専門技術による施工が必要で、商品選択と施工者選定の両方が購入の条件となり、ハードルが高い。
問題点3:マーケティング手法への誘惑
制作会社やスタッフがイメージ広告的なアプローチに傾きがちで、成果重視のマーケティングから逸脱するリスクがある。経営者自身も「電通風のキャッチコピー」への憧れを抱く傾向がある。

4. ディスカッションのまとめ

T.Y様の取り組みは、従来の業界常識を覆す挑戦的な事業モデルです。「壁紙を選んでから施工者を紹介する」逆マッチング方式は、消費者の潜在的な選択欲求に応える画期的なアプローチといえます。シミュレーションサイトでの関心の高さが示すように、市場ニーズは確実に存在しています。この基盤を活かし、さらなる飛躍への具体的な戦略についてアドバイスをお伝えします。

フィードバック

伊藤:せっかくなので、サイトのシミュレーションをH.Rさんいじってみてください。
H.R:分かりました。なんて検索したら出てきますか?
伊藤:今、リンクを共有しながら、どえらいことに気づいたんですが、URLが変わってますね、今回のリニューアルで。なるほど、明日リダイレクトかけます。そして制作会社に文句言います。
伊藤:URLの変更は先ほども言いましたけど、死に近いものなので。
伊藤:Y.Kさんももしかして初見ですか、今日?
Y.K:そうですね、この着せ替えるやつ、今好きな壁紙を選んでっていうのは初見ですね。
T.Y:初見なんて、すいません、僕の広報不足、宣伝不足ですね。
T.Y:僕の中ではちょっと思うところがあって、結構業界の人って結構素材選ぶのに、こんなの嫌だっていう人たちが一定数いるんですよ。なので、今回のウェブサイトの構築でいくと、かなりの数ユーザーインタビューも重ねてやってきてる結果なんですよね。
T.Y:なので、いわゆるサプライヤー目線で壁紙の体験を語りたくないっていうところがあるので、結果的に内々の方が減ってきてるっていうところがあるかなと思います。言い訳ですけど。
T.Y:ぜひH.Rさん感想を。
H.R:触ってみた感想ですか?こんな派手なかわいい壁紙が。ちょっとY.Kさんの事務所のとこにもあるから派手な壁紙が、ちょっとはなんとなく分かってたんですけど、でもこんな感じなんですね。
H.R:これって、じゃあ頼むってなった時に、金額がいくらからって書いてあるじゃないですか。これってどういう単位なんですか?
T.Y:ありがとうございます。ロール単位になってるんですよね。なので、実際に自分のところの貼る面積に紐づいて金額が変わってきてしまうっていったところが、これがウェブサイト上のユーザーさんに分かり辛い状況ってことになってます。
H.R:怖いなって思っちゃいました。頼んだらすごい2万円で、これが実際10万とかになっちゃったら怖いなみたいな。
H.R:一番安いのが9千円、9千9百円、7千7百円。測らないといけないんだろうなっていうのは分かるんですけど。
T.Y:また追ってユーザーインタビューのお時間いただけると大変ありがたいです。我々本当にインタビュー入れてます。実際に画面見ていただいて、どこのボタンでどこで止まってるのかとか、何が懸念ポイントだったのかみたいなところを全部端から喋ってもらって、まとめて改修っていうことをひたすらやっている感じ。
H.R:触ってて、利用シーンで選ぶとか、柄ごとに選べるのはいいなって思いました。動物とか、色系とか、色のイメージで選べるのとかありがたいですね。
伊藤:顕在ニーズを持ったユーザーさんにアプローチで言うと、今やられてるのが北欧スタイルの壁紙だったと思いますけど、意外と敵強いかなと思ったらそうでもなさそうですね。
T.Y:なのでもう3発、5発ぐらいブログが構えられてるところがあるので、北欧インテリアみたいなところにフォーカスしながら母数を広げながら、今日H.Rさんおっしゃっていただいてたことが、多分日本中でこのウェブサイトにアクセスしてきている方々の大半の声なんじゃないかなって思っているので。
T.Y:壁紙の買い方のユーザーのガイドだったりとかみたいなところを、画面上と実店舗との連携のカスタマーセンターじゃないですけど、サポートみたいなところは拡充していくことで、ちょっとブレイクスルーの可能性があるんじゃないかなっていうふうには思ってます。
T.Y:そこをちょっとまさに課題だなっていうことですね、さっきの言ってたラストワンマイルという風にですね。
伊藤:僕も昔、築地市場で働いたことあるんで、マダイがキロ3000円ですって言われても、一般の人が言われてもわからないじゃない。
伊藤:一般の方って、じゃあこれが何グラムぐらいで、実際いくらになるのか、それと同じような感じなんですよね。やっぱりその平米いくらですって言われても、それって何ですかって話なんです。
伊藤:例えば、6畳の部屋でやると、こんぐらいですよ、みたいなものは概観を出しておく必要はやっぱりあるのかもしれないですね。6畳だったらいけるねやりたいねとか、もっと広いリビングだとちょっと難しいね、じゃあアクセントにしようかみたいな。
伊藤:そんなものを見せていく必要はやっぱりあるかもしれないですね。
T.Y:分かりました、ありがとうございます。
DXの成否は商流を変更できるか?に関わる

この記事のまとめ

本事例の核心は「業界の当たり前を疑う勇気」にあります。T.Y様が直面する課題は、多くの伝統的業界が抱える共通の悩みでもあります。顧客の真のニーズと既存の商慣習との間にある溝を埋めることは簡単ではありませんが、その挑戦こそが新しい価値を生み出します。同じような変革の道を歩む経営者の皆様、そしてT.Y様、一歩一歩の積み重ねが必ず実を結びます。勇気ある挑戦を応援しています。

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