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広告をテストマーケティングに活用する実践ガイド|Google広告運用とMVP検証の成功法則
※この記事は2025年開催のオンラインサロンの内容を元に作成しています。
広告運用で成果を出すのが年々難しくなっている今、多くの経営者が直面している課題がある。膨大な広告費をかけても思うような結果が得られない、競合他社との価格競争に巻き込まれてしまう、そもそも何から始めればいいのかわからない。しかし、広告を単なる集客ツールではなく「テストマーケティング」の手段として捉え直すことで、新たな可能性が見えてくる。本記事では、限られた予算で最大の効果を生み出す広告戦略の考え方と実践方法を解説する。
こんな方に読んで欲しい。
- スタートアップ・中小企業の経営者
- 限られた予算で効率的にマーケティングを行いたい
- 新商品・新サービスの市場性を事前に検証したい
- 広告運用の基本的な知識を身につけたい
- マーケティング担当者・Web担当者
- 広告の成果が思うように上がらず改善方法を探している
- テストマーケティングの手法を学び、データに基づいた意思決定をしたい
- Google広告の効果的な運用方法を習得したい
- 新規事業担当者・事業企画担当者
- MVPの概念を理解し、最小限のリソースで事業検証を行いたい
- 市場ニーズの把握と顧客フィードバックの収集方法を知りたい
- 事業の方向転換や撤退判断のタイミングを見極めたい

広告をテストマーケティングツールとして活用する重要性とMVP戦略
伊藤:はい、それでは5回目ということで画面共有させていただきます。広告でテストマーケティングをしようということをテーマに、最初座学、それから後半は皆さんの課題を共有してディスカッションしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
Y.K:よろしくお願いします。
伊藤:広告というと、やはりダイレクトマーケティングで成果・売り上げを上げていきましょうという要素も強いんですけれども、一方で事前のテストマーケティングとして使用する方法も存在しています。近年、特に言われているのが広告がもう飽きられていて嫌われているということが言われ始めています。なので広告だけで売れるような商材も、もちろん今も存在しているんですけれども、広告1本だけでなかなか成果を上げるというのは難しくなってきているのかなというふうに思います。なので事前の方向性を占う上で、しっかりとテストマーケティングとしても広告をツールを使っていきましょうということのご紹介になります。
伊藤:本日の項目5つで、テストマーケティングの重要性についてお伝えしていきます。それから広告の目的ですね。目的、先ほど申し上げた通りいくつかの目的があります。それから広告を運用する際の注意点。4つ目が広告の進め方。今回はGoogle広告の例にさせていただきます。最後に広告の重要指標について簡単に触れていきます。
伊藤:では、まず1つ目の単元ですね。テストマーケティングの重要性についてお伝えをしていきます。ビジネス向けの広告をどのように位置づけていくかという本なんですけども、これは1年ぐらい前にダイレクト出版、セールスコピーライティングなんかを宣伝する方法のHowToを教えている出版社ですけども、「ユダヤ人しか知らない商売を成功させる方法」というキャッチコピーで売っていたんですね。よく聞いてみると、なんだそんなことかと思う内容だったんですけども、こんなことが書いてました。「必ず事前に調査しましょう」ってことですね。なんだそんなことかと思うんですけど、意外とやっぱりみんな調べずに自分の好きなこととか思い込みで突入していってしまうんですね。なので必ず事前調査はやりましょうねっていうことになります。
伊藤:それと、駄目な考え方っていう例、コンコルド効果と言われています。Y.Kさん、コンコルド効果っていうのはお聞きになったことありますか?
Y.K:フランスのコンコルドって超音速機のことを例にして、引き返せないというか、もう大量に費用をかけたのでやめられないというコンコルド効果だというふうに言われるんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
伊藤:はい、正解でございます。やっぱり一度振り上げた拳でも、だめだとわかったらさっさと引っ込めたほうがいいよねっていうことですね。コンコルドご存じの通り超音速ジェット機で、夢の飛行機と言われました。ところが、爆音が客室内に流されるわけですね。音がとってもうるさい。それから、こんなものは高すぎて需要がないっていうことも言われていました。しかし、アメリカとフランスの共同の事業ということで、開発は止められないということですね。現在、コンコルド運行は行われていないっていうことですね。
伊藤:似たような例を最近言われていて、ソフトバンクの孫さんは、いろんなことにチャレンジするけども、撤退の名人だと。だめだとわかったら一目散に撤退みたいな話があって、やはり引き際というのが重要なので、そのための事前の調査のツールとして、広告を使っていきましょうということになります。
伊藤:失敗しないためには、やはり頭を柔軟にしていきましょうねっていうこと。例えば、DHCという会社があります。安い化粧品で、もう何十年も売り続けてる会社なんですが、元々といえばDHCと何の会社かっていうと、大学翻訳センター、翻訳関係のプロジェクトだったんですね。だけども、今は化粧品を売ってるっていうことになります。それから似たような例でフジフイルムですね。デジタルカメラに切り替わっていく時代、フィルム産業は全体的にもう斜陽になるっていうことが予測されていて、そこに対してビューティーアンドヘルス事業ということを立ち上げて、要はフィルムを生成する技術を方向性を変えて事業を展開していったということになります。
伊藤:ここまではうんちく的な話なんで、実際に広告をどんなふうにやっていくのがいいよっていうのは目的の部分ですね。続いてお話をさせていただきます。
伊藤:先ほど申し上げたとおり、冒頭で申し上げたとおり、テストマーケティングという側面と集客・売上という側面が広告にはあると思います。テストマーケティングでどんなことを確認したらいいかということですね。まず、クリックした先にあるランディングページを用意しましょうねということ。それから、テストで広告を流し、改めてMVPについて考えてみる。それから、実際にページを見た人やサービスを利用した人のレビューを取りましょうということですね。
伊藤:ランディングページですが、これは割と以前にも授業でやっております定義ですね。シングルページ、単一のページにおいて単一のサービスや商品を提供して、結果がどうなるかっていうところを見ていく。たくさんページを用意したり、たくさんの種類の商品を用意したりしないということですね。ジャム理論みたいな話でご説明させていただいたかなと思います。
伊藤:では、テスト広告、限られた予算でキーワードを限定して行っていきましょうということですね。なので、集客のほうだとキーワードの設定って100とか200とかやったりするんですけれども、テスト広告の場合はシンプルに10個のキーワードぐらいで、限られたキーワードでテストをしてみてください。その結果、実際に検索されるキーワード、どのように展開されるのかっていうところを見ていく必要があるわけですね。
伊藤:それからMVPですね。Minimum Viable Product。一つの商品・一つのサービス。いろんなセールスコピーあると思うんですけども、一番重要なポイントは何ですかっていうところを、そこを書いてください。あれもこれも付け足していくと、結局、その商品やサービスの真の価値って何?本質的に何なんですか?っていうふうに、意味がごちゃごちゃになってしまって混乱してしまうわけですね。なので、提供されたたった一つだけの価値は何かというところをよく考えていきながら、テストマーケティングを進めていってください。
伊藤:最後、レビューですね。テストマーケティングしてみ類事で、想定外の価値や課題が見つかる可能性が高い。なので、身近な人にページを見てもらったりとか、あるいは最初に購入をしてくれた人、問い合わせをしてくれた人に深く意見を聞いてみる必要があります。やはり自分が考えた最も素晴らしいサービスというのが、顧客にとっても素晴らしいサービスとは限らないんですよね。なので、まずシンプルにリリースして出してみる、テストマーケティングしてみる。そこを起点にお客さんの意見をよく聞いてみてください。これ、あんまりやらない人いるんですけども、ここはめちゃくちゃ重要なので、欠かさずに新しいサービスや商品を打ち出すときは必ずやってみましょう。
伊藤:それから集客ですね。先ほど申し上げたとおり、広告一本で売るのはなかなか難しいんで、上のメディアミックスをご覧ください。オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディア。今回はペイドメディアですね、広告になりますが、オウンドメディア、独自のドメインサイトを作っていってください。非常に効果高いんですけれども、とても時間がかかります。自由度高くてトータルコストは安いけれども、デメリットもあって、季節性のような、要は海の家みたいな商売には向いてないってことですね。なので、通年で本業としてやれるもののみをオウンドメディアでやるようにしましょう。ここ間違ったら時間的なコストを食われるので、非常に判断としては重要かなと思います。
伊藤:それからアーンドメディアですね。一般的にはSNSですけれども、価格.comみたいな比較サイトもレビューが溜まったりするので、アーンドメディアに含めてもいいかなというふうに思います。集客効果はあるけども運用コストが高い。広告に話を戻すと、今は広告のクリック単価ってどんどん上がっていってるし、コンバージョンレート、購入する確率もどんどん下がってきてるので、意外と紙媒体なんかはローカルにおいては有効だったりします。それからPRですね。PRとアドの違いみたいなものは、後々ちょっとお話できたかなと思うんですけども、広告が嫌われてるというお話がありました。
伊藤:数年前にPRの典型的な例で言うと、ジャポニカ学習帳の表紙から虫が気持ち悪いんで、今後はお花だけになりますっていうニュースがあってですね、それが非常に話題になったりして、賛否両論ありながら、ちょっと社会現象みたいになったんですけど、これも実はPRの企画として打ち出したものなんですね。なので今回広告の回ですけども、広告とは違った攻め方が世の中にあるよっていうところも覚えていただけるといいかなと思います。
伊藤:ここまででY.Kさん、何かご意見、ご質問などあればお願いいたします。
Y.K:テストマーケティングのところでMVPっていうのがあって、Minimum Viable Productっていうことで、削ぎ落とされた一つのサービス・商品というふうに言われたように、今メモしたんですけど、僕らが事業を始めるときに、私はですけど、最小単位の商品で、まずテストをしてみるということで、具体的に言えば、喫茶店をしたければ、最低限サービスで、まず始めてみて、需要を見るっていう、それと同じようなことで考えて、テストマーケティングのMVPは削ぎ落とされたものっていうことなので、そういうふうに実際の商売で解釈してもよろしいでしょうか。
伊藤:始めてみるっていうところではいいんですけど、例えば喫茶店で言うと、茶葉にこだわるべきなのか、コーヒーの焙煎にこだわるべきなのか、あるいはリラックスできるリッチな椅子がMVPの可能性もあるし、そこで行われてる英会話教室だったりするわけです。コミュニティができることだったりするわけですよね。
Y.K:今の話は面白かった。範囲を広げて考えてみたいなと思いました。私は以上です。
伊藤:はい。なので、例えば運営されているレンタルスペースであれば、いろんなものを削ぎ落とした結果、一番重要視しなきゃいけない価値とは何でしょうか。
Y.K:うちのレンタルスペースの場合はですね、やっぱりマッチング、うちに来る人の才能の掛け合わせが、やっぱりMVPに、Minimum Viable Productになるのかなと思っております。マネタイズポイントは他にもあると思うんですけど、そうかな。人がいないと何も事業は始まらないので、そう思います。
伊藤:一般的なレンタルスペースであれば、駅から近いとか自宅から近いとか、ドロップインの料金が安いとか、いろいろあると思うんですけども、それとは違った価値を持たせていくよっていうところ。そこにY.Kさんは価値を感じるけども、周りのみなさんが価値を感じるかっていうところをテストしていかないといけないということですね。
Y.K:アドバイスありがとうございます。
伊藤:M.Mさん、何かご意見ご感想あればお願いします。
M.M:今のお話だと、外から見た一番の売りっていう感じなんですかね。
伊藤:そうですね。一番なくてはならないサービスであったり、要素であったり、価値っていうことですね。最小の価値を、一番のメインで思うところを打ち出してみて、テストしてみるという。それがうまく伝わるかというところ、そこに価値があるかというところをお客さんに聞いてみるということですね。
伊藤:価値があっても、うまく伝わらないこともあると思うので、表現としてのところもこのランディングページを通してチェックしていく作業になりますね。
M.M:はい、わかりました。ありがとうございます。
伊藤:では、続いて3つ目ですね。広告の注意点について確認していきましょう。広告にもメリットとデメリットがあります。メリットは、すぐに開始できるということですね。もちろんブログもすぐに開始ができるんですけれども、結果が出るのに半年とか1年かかってしまうので、スタートの時点で成否が見えづらくなってしまうというところがあります。広告はそれではないですね。ランディングページさえ用意できれば広告で、テストマーケティングの開始ができるということです。それから即効性が高いということですね。そういうような上位に行くのは、なかなか難しいような内容でも、お金を払いさえすれば、クリック単価を払いさえすれば、上位に行ってクリックされるということになります。
伊藤:反対にデメリットは、年々広告費が上がっていっています。それから競合排除ができないんですね。やはり同じような競合が広告を出すことを防ぐことができないので、クリック単価を買い負けてしまうと、お客さんの流入を促せないということになります。それから3つ目が、広告の学習コストが高いということですね。いろんなツールありますけれども、きちんと意図した通りに広告を出していくには、それなりの勉強をしないといけないということになります。
この項のまとめ
- 事前調査の徹底:思い込みではなく、データに基づいた市場検証を必ず実施する
- コンコルド効果の回避:失敗が明らかになった場合は、投資額に関係なく早期撤退を決断する
- MVP(最小実行可能製品)の明確化:あれもこれもではなく、一つの核となる価値に絞り込む
- 顧客フィードバックの収集:想定外の価値や課題発見のため、実際の利用者から意見を聞く
- 頭を柔軟に保つ:DHCやフジフイルムのように、事業転換の可能性も視野に入れる

Google広告運用の基本設定と効果的なキーワード選定方法
伊藤:では次に、広告の設定の仕方ですね。今回、Googleのリスティング広告を例にお伝えをしていきます。まずアカウントを作成してください。アカウントを作成する際に、気をつけなければいけない点がありまして、タイプの選択というのがあります。これ資料を作った1年前なので、また1年前と表現が変わっている可能性があるんですけど、スマートタイプとエキスパートタイプというのがあります。スマートタイプって何かというと、ほとんど自動化です。なので、先ほどその勉強しないといけない高い学習コストを払わずに済むんですけれども、その分自動運用になるので無駄打ちが多いですね。最初の10万円、20万円ぐらいは、ドブに捨てる感覚で勇気を持って行ってみてください。
伊藤:反対に、エキスパートモードの方になると細かな設定ができるんですけれども、その分操作が煩雑なので、一個一個調べて対応していかないといけないということですね。最近はAIがサポートしてるので、上のスマートモードでも結構結果出始めてるというふうに言われていますけれども、中身が見えないんで、分析ができなくてノウハウが貯まらなくなってしまうわけです。そういう意味ではエキスパートモードで最初にチャレンジをしてみて、ダメだったらスマートに切り替えてもいいかなというふうに思いますが、最初にスマートを選択してしまうとエキスパートを変更することができないので、そこが最初にやるかやらないかは別としてエキスパートモードで登録をされた方がいいかなというふうに思います。
伊藤:それから広告の構成ですね。一番大きい箱がキャンペーンになります。その下にグループというものがあります。それからアセットという設定ですね。これは実際に表示される広告になってます。まず最初にキャンペーンを作成するんですけど、キャンペーンの設定でいくと、広告を出す地域とか、日の予算であるとか、あるいはクリスマスシーズンであれば12月20日まで出稿しますみたいな期限を設定することができます。
伊藤:それからキャンペーンの中に複数の広告グループを設定することができます。広告グループでは何を設定するかというと、どのキーワードに出稿するかという設定と、例えば毎週水曜日だけ出してくださいみたいなアセットのローテーション設定というのもできたりします。やっぱり見る曜日であったり時間帯であったりというところで、わりとユーザーの属性が変わったりするので、慣れてきたらこの辺りもテストしてみるとよいでしょう。
伊藤:それからアセットって何だっていう話なんですけど、これは実際に表示される広告の文章になります。これもGoogleのスコアがあって、こういうキーワードを入れた方がいいよっていうアドバイスが表示されるので、必ずそれを守るようにしてください。これを守らないと、Googleのスコアが低下して、広告があまり表示されないような設定になってしまいます。期間限定とか煽りの文章を入れたくなるんですけど、それは説明文の方でやっていただいて、見出しの方は必ずGoogleの指示に従うようにしましょう。スコアで出てくるので、何パーセントの広告ですっていうのがあって、できれば95%以上を目指していきましょう。
伊藤:それからキーワードですね。キーワードは三つの設定があります。これもちょっと表現が変わってしまってるんですが、概念的にはこういうものがあるよというふうに覚えておいてください。一つが完全一致。つまりそのキーワードにのみ広告を出してくださいねっていう設定になります。それからフレーズ一致ですね。ニュアンスが似た検索にも出してくださいねという設定になります。最後が部分一致。お客さんの属性が違うと考えてください。完全一致の場合は、今すぐ客になる可能性が高いんですね。フレーズ一致は何か、そのうち客になってくる可能性がある。部分一致の場合はまだまだ客ですね。もう少し購入に至ってもらうには距離があるけれども、認知として広げておきたいねっていうところを配置していくと良いでしょう。完全一致は全体の1割、2割ぐらい設定できると広告のコストも抑えられるので、何を完全一致にするかみたいなところは十分考慮する必要があるかなと思います。
この項のまとめ
- エキスパートモードの選択:分析とノウハウ蓄積のため、最初からエキスパートモードで登録する
- 広告構成の理解:キャンペーン→グループ→アセットの階層構造を把握して効率的に設定する
- キーワードマッチタイプの使い分け:完全一致(今すぐ客)、フレーズ一致(そのうち客)、部分一致(まだまだ客)を適切に配分する
- キーワードツールの活用:ラッコキーワード、おむすび、キーワードプランナーで関連語を発掘する
- 文字揺れへの対応:漢字・ひらがな・カタカナの表記違いや入力ミスも考慮してキーワード選定する

広告運用の重要指標(KPI)とメディアミックス戦略の最適化
伊藤:次に設定後の実際の作業ですね。まずキーワードを見つけていきましょう。キーワードプランナーというのがあるので、それで検索しながら、例えばDIYみたいなものがどういう関連キーワードと一緒に検索されてるかっていうところを見ていけるわけですね。そうするとやっぱり棚であったりとかウッドデッキみたいなものは需要が多いけども、壁紙の貼り替えっていうのはあんまり多くないねっていうところがあるわけですね。メインのキーワードに対してどういう関連キーワードが設定されてるかっていうところを見て取れます。
伊藤:それ以外だと、わりと有名なのがラッコキーワードというものがあるので、そういうもので検索してみると、同じようにどれぐらいチャンスがあるか、どれぐらいの価格になるか。SEOの難易度なんかも出てますね。あと月間の検索数とか。こういうものからリストアップしていただいて、実際に出してみて、クリック単価とかクリックの確率を制御しながら取捨選択をしていってください。
伊藤:あと、面白いのがおむすびっていうツールなんですけど、他のツールはリスト化されたものが出てくるんですけども、このようにキーワードマップで関連性が高いものが図として出てくるって、人間の脳の仕組みにちょっと近いわけですよね。なので、DIYの道具だったらどういうものを関連付けられるんだろうとか、テーブル作る際はこういうものを調べてるんだなっていうところが分かってくるんで、こういうものも活用しながら頭を柔軟に使っていって下さい。
伊藤:最後、ここの重要指標についてちょっと解説をしていきます。まず一番重要なのがクリック単価ですね。一回クリックされるといくらになるのかっていう。こんな感じで、クリック数とクリック率と費用、平均のクリック単価みたいなのが出てくるんで、例えば洗面台だとちょっと高いな、予算を超えちゃうなみたいなものであれば、これ一回止めようかみたいな判断をするわけですね。
伊藤:それからCVRといいますけども、コンバージョンレート。クリックされた後にその人が買ってくれる確率ですね。それからCPA、コストパーアクション。そのアクションを引き起こすのにいくらかかりましたかという指標。それからROI、Return on Investment。利益にどれくらい寄与したかというところも合わせて見ていってください。初心者の場合は、まずクリック単価をいかに下げれるかっていうところを見ていくといいかなと思いますし、そこに付随してクリックの率ですね。10%以上あると結構いいかなと思うんですけども、コスパの良いキーワードと悪いキーワードと合わせ技なので、平均値でいうと10%ぐらいあると非常に優秀な広告運用かなというところがあります。もちろん、ジャンルによって数値って変わってくるので、ジャンルによってはもっと低いものもあれば高いものもあるというふうにご認識いただければと思います。
伊藤:はい、ちょうど30分ですね。今回はうまく時間配分ができました。ありがとうございます。後半の部分でご意見、ご感想あればお願いします。Y.Kさんいかがですか。
Y.K:キーワードで三つの指標をどうもありがとうございます。ちょっと振り返ってもう一度調べてみたいと思いますが、この中で文字揺れというのをキーワードを選定するときに、キーワード選定のときも文字揺れというのは結構考えなくちゃいけないのかっていうのを聞きたいんですが、カタカナだったり漢字だったり平仮名だったりとか、文字揺れは広告のキーワードのときにどのように考えたらいいのか教えてください。
伊藤:そうですね。例えば壁紙でいうと、貼り替えの貼りって2種類あるんですよね。貝に占うと書く「貼り替え」が本線なんですけど、実はユーザーさんが検索するときは、引っ張る方の「張り替え」で検索をしてるんですよね。なので、Y.Kさんがおっしゃった通り、ある程度文字揺れも想定して、入力間違いも想定して広告を買っていくと、わりとお得になったりするんですね。
Y.K:ということは、文字揺れも考えて、入力間違いも考えて、キーワードを選定していくという作業は結構特殊ですね。
伊藤:そうですね。特殊なので、ユーザーの習慣みたいなものも考慮する必要があるんですよね。もしご自身ができないのであれば、外注の広告屋さんに頼むこともいいかなとは思うんですけども、その辺りまできちんと面倒見てくれる人なのかどうかっていうところも、選定の基準になってくる。
Y.K:なかなか文字揺れまで深くドリルダウンして考えてくれる広告屋さんはいなかったような気がします。私からは以上です。
Y.K:もう一つ、クリック単価のことでラッコキーワードとかおむすびとか、後で検索して調べてみたいと思うんですが、これは無料でできるんですか、それとも会員登録して有料になるのかというのはいかがですか。後は、Googleの広告のページが一番無料なので、あれをみなさん使われてると思うんですか。
伊藤:そうですね。今日ご紹介したのは全部無料で、ログイン不要なんですね。あともう一個使われてるのが、Ubersuggestというものが使われています。登録すればある程度の情報は入りますが、課金した方がより詳しい内容が手に入るという仕様になってますね。Googleのツールが無料でいいんですけど、非常に使いづらいんですよね。なので他のツールをうまく活用しながら実践されるといいかなと思います。
Y.K:ありがとうございます。
伊藤:M.Mさん、何かご意見ご感想あればぜひお願いします。
M.M:そうですね。ちょうど今、広告を出しているところなんですね。それで自分でキャンペーンから作ってやっているんですけど、この辺り、西三河がエリアなので、この県境越しのエリア40キロということで、年齢は婚活世代の年齢で絞ってやってはいるんですけど、なかなかリーチはするんだけれども、入ってこない。予約までがつながらないっていうので、ちょっと何が自分で良くないのかわからないのでやっているんですけれど…
M.M:バナーに皆さんが検索するキーワードやGoogleに認識されるキーワードが入ってないなと思ったので、そこは直そうかなと思ってるんですが、これで一番大事なのは何でしょう、キーワードですかね
伊藤:今運用されてるのはリスティング広告でよろしいですか、それともディスプレイ広告みたいなものになりますか
Y.K:リスティングではないです。本当に名前がよくわからないんですけど、Metaビジネスツールで自分で一個一個やって、バナー広告やって、ランディングページに飛ぶっていう形ですね。ランディングページに飛んで、そこから相談会に入ってくるっていう流れで作ってるんですけど
伊藤:そうですね。メタだとGoogleでいうところのディスプレイ広告になっちゃうので、キーワードに対して出稿してる感じではないんですね
Y.K:違うんですか、これは
伊藤:やっぱり訴求力が強いのがリスティング広告なんですね。つまりお客さんは明確な意図を持って情報を集めているので、そこはディスプレイ型の広告、バナーを出してクリックさせてっていうところよりも訴求力が強いんですね。ただしデメリットがあって、地方都市だとそもそもあんまり検索をする習慣がないんですね。フレッシュな情報があんまりないので、検索ボリュームが担保できない可能性はあるんですけど、訴求力が高いのはリスティング広告なので、試してみるのはもしかしたらいいかもしれません
伊藤:メタの設定ってちょっとどうなってるかわかんないですけど、未婚みたいなものの絞り込みは機能ありますか
Y.K:はい
伊藤:結婚してる?してない?
Y.K:してます。独身でやってます
伊藤:ステータスは独身
Y.K:年齢が25から50までの男女っていう形ですね。あと地域を絞って
伊藤:広いですよね、年齢層が
Y.K:年齢層広いんですよ。確か前にY.Kさんからご相談があって、クリック率はそんなに悪くなかったと思うんですよ
伊藤:今のお話の中だと、おそらく男性向けと女性向け、あるいは年齢層でも分けてバナーを変えたほうがいいかもしれない
Y.K:なるほど
伊藤:ランディングページのセグメントを切って4分割ぐらいにして、それぞれ別のバナーと別のランディングページを用意したほうが打率が高くなる可能性がある
Y.K:ああ、そういうことですね
伊藤:25と50じゃだいぶ違う
Y.K:まあそうですよね
M.M:前回やったときが、ランディングページが女性向けに作ってあるので、女性だけをターゲットにしたんですけど、そうすると母数がどうしてもすごい減ってしまって、上げようとすると、母数が少ないと。エリアも絞っているので少ないというので、その時も男女混合で、女性が見てくれればいいなと思って、男性が見てもいいやっていう感じで、どっちもにしたんですけど
伊藤:数を担保したいっていうところはあるんですけど、後々の打率を考えると、あんまり得策ではないかな。セグメントが乱暴かなと思います。
伊藤:一回ちょっと区切ってもいいですか。小さな数値の変化を見逃さずにやるのが、運用していくのがテストマーケティングのポイントなので、小さな数値の話はぜひこの後していきましょう。では個別相談は後半です。
M.M:ありがとうございます
この項のまとめ
- クリック単価(CPC)の最適化:初心者はまずクリック単価を下げることに注力し、コスト効率を重視する
- コンバージョン指標の監視:CVR(転換率)、CPA(顧客獲得単価)、ROI(投資収益率)を総合的に判断する
- メディアミックスの実践:オウンドメディア(自社サイト)、アーンドメディア(SNS)、ペイドメディア(広告)を組み合わせる
- ターゲット設定の細分化:年齢層、性別、地域を適切にセグメント分けして、それぞれに最適化したクリエイティブを用意する
- 小さな数値変化への注目:テストマーケティングでは微細な変化も見逃さず、継続的な改善を行う
編集後記
広告運用の難しさは、技術的な複雑さよりもむしろ「思い込みを捨てる勇気」にあるのかもしれません。今回の講座で印象的だったのは、MVPの概念を喫茶店の例で説明した際、Y.Kさんが「茶葉なのか、椅子なのか、コミュニティなのか」という本質的な価値を見極める重要性に気づかれた瞬間でした。
多くの経営者が直面するのは、広告費をかけても成果が出ない焦りや、どこから手をつければいいかわからない混乱です。しかし、M.Mさんのように実際に広告を運用しながら試行錯誤されている姿勢こそが、成功への第一歩なのです。失敗を恐れず、小さな変化に注目し、顧客の声に耳を傾ける。そのプロセス自体が、事業を成長させる貴重な資産となります。同じような課題を抱える皆さんも、完璧を目指さず、まずは一歩を踏み出してみてください。
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