
データ分析から仮説検証まで:Search ConsoleとGA4を使った本質的なSEO改善戦略
※この記事はオンラインサロンの内容を元に作成しています。
検索順位が上がってもコンバージョンに繋がらない、GA4の数値は見ているが改善策が見えない――多くのWEB担当者が直面するこうした課題の根本原因は、データの「読み方」と「改善の優先順位」にある。Search ConsoleとGA4が示す指標は膨大だが、本質的に見るべきは5つの軸に集約できる。本記事では、エンゲージメント率、CTR、スクロール率など具体的な数値基準と、それぞれに対応する改善施策を体系的に解説する。アルゴリズムという固定値と、自社でコントロール可能な変動値を区別する思考法を身につければ、限られたリソースで最大の成果を生み出せる。
この記事を読んで欲しい人
- 中小企業のWEB担当者・マーケティング責任者: 自社サイトのSEO改善を任されているが、GA4やSearch Consoleのどの数値をどう改善すべきか判断基準が曖昧で、施策の優先順位がつけられない方
- EC事業者・オウンドメディア運営者: アクセス数は増えているのにコンバージョン率が低い、または検索順位は悪くないのに問い合わせや売上に繋がらず、ボトルネックの特定方法を探している方
- 経営者・事業責任者: 外部のSEO業者に依頼しているが成果が見えにくい、または内製化を検討しており、自社で判断できる分析の基礎知識と改善フレームワークを習得したい方
目次

Search ConsoleとGA4で見るべき5つの分析軸
SEO改善において最も重要なのは「何を測定し、何を改善するか」の優先順位を明確にすることだ。Search ConsoleとGA4には膨大な指標が存在するが、実際に成果に直結する分析軸は5つに集約できる。それぞれの軸には明確な改善基準と具体的な施策が紐づいており、闇雲にすべての数値を追うのではなく、この5軸に絞ることで効率的な改善が可能になる。
分析軸①:ページランクとクリック率(CTR)
Search Consoleで最優先で確認すべきはページランク(検索順位)とクリック率の関係性だ。一般的に1位で27.6%、5位で6.3%、10位では1.6%という平均CTRが存在する。現在の順位に対してCTRが著しく低い場合、タイトルやディスクリプションがユーザーの検索意図とズレている可能性が高い。
例えば平均順位3位にも関わらずCTRが0.71%という状態は、本来得られるはずのトラフィックを大きく逃している。この場合、メタタグの最適化やタイトルのリライトが最優先課題となる。Looker Studioを活用すれば、順位とCTRの乖離を自動判定できるため、改善対象ページの抽出が効率化される。
分析軸②:エンゲージメント率
GA4におけるエンゲージメント率の業界平均は60〜70%、つまり離脱率は30〜40%程度だ。これを下回る場合、ファーストビューの訴求力不足やページスピードの問題が考えられる。特に表示速度が遅いとユーザーは中身を見る前に離脱するため、画像の軽量化やギャラリー枚数の見直しが必要になる。
改善の鍵は冒頭部分にある。「このページに何が書かれているか」を明示し、結論を先に見せることで離脱を防げる。また1200〜2000ピクセルの高品質なファーストビュー画像を配置するだけでも、エンゲージメント率は大きく改善する。アルゴリズムはユーザー体験を重視するため、この指標の改善は間接的にSERP上位表示にも寄与する。
分析軸①②のまとめ
- CTRは順位別の平均値と比較する: 1位27.6%、5位6.3%、10位1.6%が目安。現在の順位に対してCTRが低い場合、タイトル・ディスクリプションのリライトが最優先課題となる
- Looker Studioで判定を自動化: 順位とCTRの乖離を手動でチェックするのは非効率。関数を組んで自動判定させることで、改善対象ページを素早く抽出できる
- エンゲージメント率60〜70%が基準値: これを下回る場合はファーストビューの訴求力不足やページスピードに問題がある。離脱率30〜40%を目標に改善を進める
- ファーストビューで離脱を防ぐ: 1200〜2000ピクセルの高品質画像の配置と、「このページに何が書かれているか」の明示が効果的。結論を冒頭で見せることでユーザーを引き込む
- ページスピードは特に女性ユーザーに影響: 表示に時間がかかるとブラウザバックされる。画像の軽量化とギャラリー枚数の最適化で、中身を見る前の離脱を防止できる

エンゲージメント時間とスクロール率の最適化
ユーザーがページに滞在した時間と、どこまでコンテンツを読んだかを示すスクロール率は、コンテンツの質を測る重要な指標だ。これらの数値が低い場合、検索クエリとコンテンツのミスマッチ、または情報設計の問題が潜んでいる。
分析軸③:エンゲージメント時間
エンゲージメント時間の平均は1分〜1分半とされるが、この数値だけを追うのは本質的ではない。重要なのは、滞在時間とコンバージョンの相関を見ることだ。問い合わせや購入といった最終ゴールに繋がる適切な滞在時間を見極め、そこに向けてコンテンツを設計する必要がある。
改善手法としては、比較表やチェックリストの追加が効果的だ。メリット・デメリットを対比させることで、ユーザーの意思決定を助けながら滞在時間を延ばせる。またインフォグラフィックのような視覚的コンテンツは、AIツールで比較的容易に作成でき、文章だけでは伝わりにくい情報を直感的に理解させられる。
文章量の増加も古典的だが有効な施策だ。ただし冒頭で結論を示した上で、「なぜそうなるのか」「具体例は何か」「判断基準はどこにあるか」と段階的に情報を深掘りする構成が求められる。単に文字数を増やすだけでは逆効果になる。
FAQセクションの追加も推奨される。簡潔な回答を求めるユーザーのニーズを満たしつつ、「関連するページはこちら」と内部リンクで誘導することで、ページ単体の滞在時間は短くてもサイト全体の滞在時間は延ばせる。内部リンクのアンカーテキストには具体的なキーワードを含めることで、SEO効果も高まる。
分析軸④:スクロール率
スクロール率の平均は50%前後、つまり半分の地点で約半数のユーザーが離脱する。50%地点と90%地点での読了率を指標にし、これをいかに改善するかが勝負だ。
最も効果的なのはTOC(目次)の設置だ。人間は先が見えない状況にストレスを感じるため、事前に全体構成を示すことで心理的ハードルが下がり、読了率が向上する。また手順を図解で追加すると、文章だけでは流し読みされがちな箇所でユーザーを立ち止まらせられる。
画像に「ここに注目」といった解説を付加するのも有効だ。アイキャッチとして機能し、スクロールの手を止めさせる効果がある。さらにUI設計の見直しも重要で、自社内だけで判断せず、異業種や異地域の成功サイトを参考にする「遠い探索」を半年に1回程度実施すべきだ。
分析軸③④のまとめ
- エンゲージメント時間は平均1分〜1分半だが数値より相関を見る: 滞在時間そのものではなく、コンバージョンとの関係性を重視。問い合わせや購入に繋がる最適な滞在時間を見極めて設計する
- 比較表・チェックリスト・インフォグラフィックで滞在時間を延ばす: メリット・デメリットの対比でユーザーの意思決定を支援。AIで作成できる視覚的コンテンツは文章では伝わりにくい情報を直感的に理解させる
- FAQセクションで回遊率を高める: 簡潔な回答でニーズを満たしつつ、内部リンクで関連ページへ誘導。アンカーテキストに具体的なキーワードを含めることでSEO効果も向上
- スクロール率50%が平均、TOC(目次)設置で読了率を改善: 先が見えない不安がストレスになるため、事前に全体構成を示すことで心理的ハードルを下げ、90%地点まで読ませる確率を高める
- 図解と画像解説でスクロールを止める: 手順の図解化や「ここに注目」といった注釈付き画像でアイキャッチ効果を生み、流し読みを防ぐ。UI設計は半年に1回「遠い探索」で見直す

イベント数とリピーター率:中間ゴールの設計
コンバージョンに至るまでには複数の接触機会が必要だ。初回訪問で即座に問い合わせや購入に至るユーザーは少数派であり、中間ゴールを適切に設計することで、最終的な成果率は大きく変わる。
分析軸⑤:イベント数とカスタムイベント
GA4のイベント数には明確な平均値が存在しない。なぜならカスタムイベントとして自由に設定できるため、サイトによってイベント数は大きく異なるからだ。重要なのはイベント数そのものではなく、50%スクロール率や90%スクロール率といった意味のある指標をどれだけ改善できたか、そしてCTAからの問い合わせやSNSフォローといった中間ゴールをどれだけ獲得できたかだ。
改善施策として効果的なのは選択的コンテンツの導入だ。「あなたはAタイプですか、Bタイプですか」といった二択の質問や、簡易的なカウンセリングツールを設置することで、ユーザーのアクションを促せる。AIを活用すれば5〜10分程度でこうしたツールは作成可能になった。
また「お気に入り登録」や「後で読む」ボタンの実装も有効だ。その場では離脱してもブックマーク機能でユーザーを再訪させることができ、結果としてユーザーあたりのイベント数を増やせる。ビフォーアフター写真のスライドショーや、事例ギャラリーといった交互的図を配置すれば、ユーザーに能動的なアクションを起こさせられる。
動画コンテンツについては注意が必要だ。以前は動画埋め込みが有効とされたが、長尺動画は最後まで視聴されない率が高く、相対的な評価を下げる可能性がある。30秒〜90秒程度の短い解説動画に留めるべきだ。ただし動画視聴で満足してしまい、次のアクションに繋がらないリスクもあるため、動画後の導線設計が重要になる。
リピーター比率の重要性
直接的なGA4指標ではないが、リピーター比率は20〜40%が理想とされる。新規流入だけに依存せず、既存ユーザーを再訪させる仕組みがサイトの価値を高める。
具体的には、ブログのシリーズ化・連載化が効果的だ。「続きが気になる」状態を作ることで定期的な訪問を促せる。また辞書的なツールを膨大に用意しておけば、ユーザーは必要な時に何度も訪れるようになる。人気記事へのリライトや追記を定期的に行い、更新情報を発信することで再訪を促す手法も有効だ。
最も強力なのはメールマガジンやSNSフォローへの誘導だ。プッシュ型で新着情報を届けることで、検索エンジン経由以外のトラフィックを確保できる。これは間接的にドメインパワーの向上にも寄与し、長期的なSEO効果をもたらす。
分析軸⑤とリピーター率のまとめ
- イベント数の平均値は存在しない、重要なのは中間ゴールの獲得: カスタムイベントは自由に設定できるため数そのものに意味はない。50%・90%スクロール率やCTAからの問い合わせ、SNSフォローなど意味ある指標の改善に集中する
- 選択的コンテンツとカウンセリングツールでアクションを促す: 「AタイプかBタイプか」といった二択質問や簡易診断ツールをAIで作成し、ユーザーの能動的な行動を引き出す。5〜10分で実装可能
- 「お気に入り」「後で読む」機能で再訪を設計: その場では離脱してもブックマーク機能で呼び戻せる。ビフォーアフター写真のスライドショーや事例ギャラリーも効果的だが、動画は30〜90秒の短尺に留める
- リピーター比率20〜40%が理想、ブログのシリーズ化で再訪を促す: 新規流入だけに依存しない。連載化や辞書的ツールの蓄積、人気記事への定期的なリライトで「また来たくなる」仕組みを作る
- メールマガジン・SNSでプッシュ型トラフィックを確保: 検索エンジン以外の流入経路を持つことで、ドメインパワー向上にも寄与。間接的に長期的なSEO効果をもたらす

固定値と変動値で考えるSEO戦略の本質
多くのWEB担当者がSEO改善で行き詰まる原因は、「変えられないもの」と「変えられるもの」を混同していることにある。限られたリソースで成果を出すには、この2つを明確に区別し、変動値に集中投資する戦略が不可欠だ。
固定値:コントロールできない要素
固定値とは、自社の努力では直接変更できない外部要因を指す。最たる例がGoogleのアルゴリズムだ。検索エンジンのランキング決定ロジックは公開されておらず、定期的にアップデートされる。また現在の検索順位そのものも固定値に含まれる。20位のページを意図的に5位にする「ごまかし」は不可能であり、順位は他の要因の結果として決まる。
競合サイトの動向も固定値だ。同じキーワードで上位表示を狙う他社が、どのような施策を打つかは予測できても制御はできない。ドメインパワーも一朝一夕には変わらない固定値と言える。新規ドメインが老舗サイトと同じパワーを持つには、相当な時間と良質なコンテンツの蓄積が必要だ。
ただし固定値は「無視すべき」という意味ではない。むしろルールや法則をしっかり分析することで、変動値をどう調整すべきかの指針が得られる。ここで重要な変化が起きている。従来はアルゴリズムの詳細を知る人はごく一部に限られ、SEOは経験則とトライアンドエラーの世界だった。しかし現在はAIによって、アルゴリズムの概観を比較的容易に把握できるようになった。完全に正確ではないが、おそらく正しいと判断できる情報が手に入る時代になったのだ。
変動値:自社でコントロール可能な要素
変動値は内製化・自社努力で改善できる要素だ。具体的には以下が挙げられる。
まず見出し構成とタイトルのリライトだ。検索クエリに対してより適切なタイトルやディスクリプションに変更することで、CTRは即座に改善する。コンテンツのリライトも変動値に含まれる。ユーザーの検索意図を再分析し、不足している情報を追記したり、冗長な部分を削ったりすることで、エンゲージメント率やスクロール率が向上する。
更新頻度も自社で決められる。定期的な情報追加はクロール頻度を高め、インデックスの鮮度を保つ。内部リンクの設計も重要な変動値だ。関連記事への導線を適切に配置し、アンカーテキストにキーワードを含めることで、サイト全体の回遊性とSERP評価が高まる。
ブログ企画そのものの見直しも変動値だ。どのキーワードで記事を書くか、どのような切り口で情報を提供するかは完全に自社でコントロールできる。さらにSNSやメールマガジンでの配信も変動値に含まれる。検索エンジン以外からのトラフィックを確保し、セッション数や滞在時間を増やすことで、間接的にSEO評価を高められる。
固定値と変動値のまとめ
- 固定値は「Googleアルゴリズム・現在の順位・競合動向・ドメインパワー」: 自社の努力では直接変更できない外部要因。20位を5位に操作することは不可能で、順位は他の施策の結果として決まる
- 固定値を無視せず分析することで変動値の調整指針を得る: アルゴリズムのルールや法則を理解することで、どの変動値をどう改善すべきかが明確になる。AIの登場で固定値の概観把握が容易になった
- 変動値は「見出し・リライト・更新頻度・内部リンク・企画」: 自社でコントロール可能な要素に集中投資する。タイトル・ディスクリプションの最適化でCTRは即座に改善し、コンテンツのリライトでエンゲージメント率が向上する
- 内部リンク設計とアンカーテキストの最適化が重要: 関連記事への導線を適切に配置し、アンカーテキストにキーワードを含めることで、サイト全体の回遊性とSERP評価が高まる
- SNS・メールマガジンで検索外トラフィックを確保: プッシュ型配信で検索エンジン以外からの流入を増やし、セッション数や滞在時間を向上。間接的にドメインパワーとSEO評価の向上に寄与する

ユーザーの購買プロセスに応じたコンテンツ設計
SEO施策で見落とされがちなのが、ユーザーがどの段階でサイトに訪れているかという視点だ。検索意図は一様ではなく、情報収集の初期段階から購入直前まで、フェーズによって求める情報は大きく異なる。この4段階を理解せずにコンテンツを作ると、入口と出口だけが充実し、中間層が抜け落ちた「穴だらけの導線」になってしまう。
第1フェーズ:情報収集・知識獲得
ユーザーが最初に求めるのは基礎的な知識だ。例えば「遊戯王カード 価値」と検索するユーザーは、どのカードに価値があるのか、何が高額で取引されているのかという一般論を知りたい段階にある。
この段階では網羅的な情報提供が求められる。「○○とは何か」「どういう種類があるのか」「一般的な相場はいくらか」といった、検索クエリに対する直接的な回答をランディングページで提供する必要がある。ここで自社サービスを強く押し出すと、ユーザーは「まだ早い」と感じて離脱する。
第2フェーズ:比較・検討
知識を得たユーザーは次に比較段階に入る。「A店とB店、どちらが高く買い取ってくれるのか」「この商品とあの商品、自分にはどちらが合っているのか」という具体的な選択肢の比較を始める。
ここで必要なのは比較表、メリット・デメリットの対比、事例紹介だ。競合との違いを明確にし、選択基準を提示することでユーザーの意思決定を支援する。インフォグラフィックを使った視覚的な比較も効果的だ。ただし公平性を欠いた比較はユーザーの信頼を損なうため、客観的な情報提供を心がける必要がある。
第3フェーズ:深掘り・詳細確認
比較を経て候補を絞り込んだユーザーは、「もっと詳しく知りたい」という段階に進む。サービスの具体的な流れ、料金体系の詳細、実際の利用者の声、FAQ、保証内容など、意思決定に必要な細部の情報を求める。
このフェーズでは詳細ページや事例ページ、お客様の声といったコンテンツが重要になる。ビフォーアフターの実例や、具体的な数値データを示すことで、ユーザーの不安を解消できる。またFAQセクションで想定される疑問に先回りして答えることも信頼構築に繋がる。
第4フェーズ:コンバージョン・行動
十分な情報と信頼を得たユーザーは最終的に行動を起こす。問い合わせフォームへの入力、電話での相談、来店予約、購入といった具体的なアクションだ。
ここでCTAの設計が成否を分ける。フォームの項目数は最小限に留め、入力の心理的ハードルを下げる。「今すぐ相談」「無料査定」といった明確で魅力的な言葉でボタンを配置する。また電話番号を目立つ位置に表示する、チャットボットで即座に質問に答えるといった施策も有効だ。
4段階を網羅する重要性
多くのサイトは第1フェーズ(情報提供)と第4フェーズ(問い合わせ)だけを用意し、第2・第3フェーズが不足している。これでは「知識は得られたが、この会社を選ぶ理由がわからない」という状態でユーザーを競合に流してしまう。4段階すべてに対応したコンテンツを揃えることで、初回訪問から成約までの導線が完成する。
ユーザー購買プロセス4段階のまとめ
- 第1フェーズは網羅的な基礎知識の提供に徹する: 「○○とは何か」「種類」「相場」など検索クエリへの直接的な回答をランディングページで提示。この段階で自社サービスを強く押し出すと離脱を招く
- 第2フェーズは比較表・メリットデメリット対比で選択を支援: 競合との違いを明確にし、選択基準を提示。インフォグラフィックで視覚的に比較するが、公平性を欠くと信頼を損なうため客観的な情報提供を心がける
- 第3フェーズは詳細ページ・事例・FAQで不安を解消: サービスの具体的な流れ、料金体系、利用者の声を提示。ビフォーアフターの実例や具体的な数値データで深い理解と信頼を構築する
- 第4フェーズはCTA設計で心理的ハードルを下げる: フォーム項目は最小限に、ボタンは「今すぐ相談」「無料査定」など明確な言葉で配置。電話番号の目立つ表示やチャットボットも有効
- 多くのサイトは第2・第3フェーズが不足している: 入口(情報提供)と出口(問い合わせ)だけでは「この会社を選ぶ理由がわからない」状態で競合に流れる。4段階すべてを揃えて初回訪問から成約までの導線を完成させる

競合分析の「近い探索」と「遠い探索」
SEO改善において競合分析は不可欠だが、多くの担当者は「同業種・同地域」という狭い範囲でしか比較していない。確かに直接的な競合を研究することは重要だが、それだけでは視野が狭くなり、差別化のヒントを見逃してしまう。効果的な分析には「近い探索」と「遠い探索」の両軸が必要だ。
近い探索:直接競合からの学び
近い探索とは、同じジャンルで商売をしているサイトや、別ジャンルでも近い地域で商売の特性が似ているサイトを調査することだ。例えばT市で買取店を営むなら、同じT市内の他の買取店や、近隣のY市・S市の買取店が該当する。
ここで比較すべきはデザインではなくコンテンツだ。具体的にはキーワード対策の精度を見る。競合サイトにテキストマイニングをかけ、どのようなキーワードが頻出しているか、共起語はどう配置されているかを分析する。自社サイトと比較することで、不足しているキーワードや訴求が明確になる。
タイトルとディスクリプションの比較も重要だ。同じキーワードで上位表示されているサイトがどのような言い回しで訴求しているかを見ることで、CTRを高めるヒントが得られる。またリード文(冒頭部分)の構成も参考になる。「なぜこの記事を書いたのか」「なぜ今このサービスをやっているのか」といったストーリー性のある導入が、競合との差別化ポイントになる。
アンカーテキストとCTAの見せ方もチェックすべきだ。内部リンクでどのようなキーワードを使っているか、仮のコンバージョンとして何を提供しているか(無料査定、LINE相談、資料請求など)を比較することで、自社の改善点が浮き彫りになる。
遠い探索:異業種・異地域からの発見
遠い探索とは、全く異なるジャンルだが売れているショップや、同じジャンルでも遠い地域で商売しているサイトを研究することだ。例えば買取業であれば、全く異なる飲食店やアパレルのECサイトを見る、あるいは同じ買取業でも北海道や九州のサイトを分析するといった具合だ。
遠い探索の価値は、業界の常識に縛られない発想を得られることにある。属性が異なるからこそ、自社業界では当たり前とされている慣習を疑うきっかけになる。特に注目すべきはメニュー構成だ。ヘッダーメニューやサイドバーのナビゲーションには、そのサイトが重視している要素が凝縮されている。
例えば成功している飲食店サイトが「お客様の声」を最上部に配置しているなら、買取店でも同様の配置が有効かもしれない。別業種のサイトが「初めての方へ」というページを充実させているなら、自社でも新規ユーザー向けの丁寧な説明ページが必要だと気づける。
UI設計の見直しにも遠い探索は有効だ。自社内だけで考えていると、業界特有の偏った設計に陥りやすい。異業種の成功事例を見ることで、「この配置の方が直感的だ」「この動線の方がスムーズだ」という発見がある。UI設計は半年に1回程度、遠い探索を交えて見直すべきだ。
両方の探索をバランスよく実施する
近い探索は日常的に、遠い探索は定期的に実施するのが理想だ。近い探索で直接的な改善ヒントを得つつ、遠い探索で視野を広げて差別化の種を見つける。このバランスが、競合と同質化せず、かつ業界標準を押さえた最適なサイト設計を可能にする。
競合分析「近い探索」と「遠い探索」のまとめ
- 近い探索は同業種・同地域の直接競合を分析: デザインではなくコンテンツに注目。テキストマイニングで競合のキーワード配置と自社を比較し、不足している共起語や訴求ポイントを特定する
- タイトル・ディスクリプション・リード文の比較でCTR向上: 同じキーワードで上位表示されているサイトの言い回しを研究。「なぜこの記事を書いたのか」というストーリー性のある冒頭が差別化ポイントになる
- アンカーテキストとCTAの見せ方をチェック: 内部リンクのキーワード使用法と、仮のコンバージョン(無料査定・LINE相談・資料請求など)の提供内容を比較し改善点を明確化
- 遠い探索は異業種・異地域から業界常識を疑う: 全く異なるジャンルの成功サイトや遠隔地の同業者を研究。ヘッダーメニューやサイドバーに凝縮された「重視している要素」から、自社業界にない発想を得る
- 近い探索は日常的に、遠い探索は半年に1回実施: 近い探索で直接的な改善ヒントを得て、遠い探索でUI設計や動線設計の視野を広げる。このバランスが競合と同質化せず差別化できるサイト設計を可能にする
編集後記
SEO改善で最も難しいのは「何から手をつけるべきか」の判断だ。伊藤自身、駆け出しの頃はGA4の膨大な指標を前に途方に暮れ、とりあえず目についた数値を改善する場当たり的な対応を繰り返していた。成果が見えず、上司や経営層への説明にも苦労した経験がある。しかし固定値と変動値を区別し、5つの分析軸に絞ってからは改善の優先順位が明確になった。完璧を目指さなくていい。まずは一つの指標、一つの施策から始めてほしい。小さな成功体験の積み重ねが、やがて大きな成果に繋がる。この記事が、同じ悩みを抱えるあなたの一歩を後押しできれば幸いだ。
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講師紹介
株式会社ボンセレ 代表取締役
伊藤 祐介(いとう ゆうすけ)
❖ プロフィール
東京出身の“氷河期世代”。
身長182cm、見た目は大きめ、中身は細かめ。
公務員からスタートし、フレンチレストラン、築地魚河岸、ワインショップなど、業種も業界も超えて現場を経験。のちに広告代理店、EC支援、WEB制作へと軸足を移し、現在は複数企業のWEB戦略を支援。実務と現場視点に根ざした教育者です。
❖ 専門領域
WEBマーケティング/EC戦略立案
コンテンツ企画・制作
広告運用(SNS/検索)
顧客接点の設計とCRM支援
❖ 教育観・講義スタンス
「右腕は、育てることができる」。
人は“経験”だけでは変わりません。
変化するのは、思考のプロセスを鍛えたとき。
私は現場から、企画・広告・制作・接客・分析まで、すべての工程を実践してきました。だからこそ、「考えて動ける右腕」を育てるには、手を動かし、振り返り、問い直す場が必要だと考えています。
❖ 右腕育成にかける思い
「社長の想いを言語化し、現場に翻訳する存在」が右腕です。
単なるWEB人材ではなく、“経営を理解し、支える人材”を育てたい。
ひとつの強みを見つけ、自分にしかできない貢献の形を築く――
それが、このプログラムのゴールです。
❖ 私のルーツ
仮説実験授業(板倉聖宣 提唱)
科学的な思考法とディスカッションベースの学びに影響を受ける。プログラミングとの出会い
高校時代にBasicからスタート。VBAでの業務改善からWEB制作へ。
❖ 好きなこと
食べること・飲むこと・考えること。
最近のブームは激辛料理(ブートジョロキア)。
