各社課題と向き合う:買取店と不動産業のシナジー効果を構築する

季節変動に左右される実店舗経営において、夏場の集客減少は多くの事業者が直面する共通課題です。本事例では、買取店を営むH.R様が6月中旬以降に経験した来店客数の激減と、それに対する戦略的アプローチを詳細に記録しました。単なる問題の羅列ではなく、実際の顧客との対話から得られた気づきを活かし、地域密着型の施策へと転換していく過程を通じて、中小企業が季節変動を乗り越えるためのヒントを提供します。

こんな方に見て欲しい

1. 季節変動の影響を受ける実店舗経営者
小売業、サービス業など、天候や季節によって集客が大きく左右される事業を営む経営者の方々に参考にしていただきたい内容です。
2. 地域密着型ビジネスの戦略立案担当者
地域コミュニティとの関係構築や、オフライン施策の効果的な活用方法を模索している企業の戦略担当者におすすめします。
3. 顧客インサイトを活用したい中小企業経営者
日々の接客や営業活動から得られる顧客の声を、具体的なマーケティング施策に落とし込む方法を学びたい経営者の方々に有益です。

1. 相談の背景

H.Rさんは買取店を経営されており、夏場の暑さの影響で6月中旬以降から来店客数が激減している状況にお悩みです。以前は1日5人程度の来店があったものの、現在はゼロの日もあり、1〜2人で終わる日が続いています。一方で不動産関連の顧客は増加傾向にあり、外回りが多くなったため、WEB広告などの手が回らない状態となっています。

2. 要点整理

・来店客数の激減:6月前半まで1日5人程度→6月中旬以降ゼロ〜2人に減少
・季節要因:夏場の暑さによる影響が顕著
・事業の二極化:買取事業の低迷と不動産事業の好調
・リソース不足:外回り増加によりWEB広告運用に手が回らない状況
・LP制作の停滞:以前から進めていたランディングページが未完成のまま
・新店舗準備:9月に販売専門店「使ってちょ」をオープン予定

3. 問題点の抽出

問題点1:季節変動への対応不足
夏場の暑さによる来店客数減少に対する具体的な対策が不十分。出張買取の強化や高単価顧客へのシフトなど、季節に応じた営業戦略の見直しが必要。
問題点2:マーケティング活動の優先順位
複数の施策(LP制作、新店舗準備、求人等)が同時進行しており、リソースが分散している。最も効果的な施策への集中投資ができていない状況。
問題点3:顧客インサイトの活用不足
実際の顧客との接触から得られた貴重な気づき(接客方法の改善、ターゲット層の明確化等)があるものの、これらをマーケティング戦略に体系的に反映できていない。

4. ディスカッションまとめ

暑い時期こそ出張買取に注力し、高単価の遺品整理案件を狙うことを提案。お客様へのインタビューを通じて得られた気づきを活かし、地域密着型のオフライン施策(花屋や葬儀屋との連携、お礼状の送付等)で紹介の輪を広げる戦略をアドバイス。また、顧客の利用感想を積極的に収集し、サービス改善とマーケティングに活用することを推奨しました。

オンラインで商圏の突破を狙う

弊社からのフィードバック

 
伊藤:それこそ買取店とかリサイクル店の問題点のひとつなんですけど、働いてもスキルアップができないっていうところがあって、上級資格等が無いので、年収が頭打ちになっちゃうっていう問題があるんですよね。なので、そこをWebとセットで解決していけないかなっていうところは前から考えてたんですね。つまり空いた時間でページ作ったりとかして、それで受注していければ、プラスアルファのお給料を持っていけるのかなっていう。
H.R:それは私も自分ごとで考えてたけど、そうだなって思ってて。あとパートさんのお給料を上げていくってこと。
伊藤:やっぱり高単価を生むものって、オリジナルの商材があったりとか、あるいは金融みたいに資本集約型だったりとかっていう、買取店はそういう業界ではない、相場があるし、丁寧な仕事して2倍の利益を取れるかというと取れないじゃないですか。査定のスピードが速いとか、接客のレベル感が高いとかっていうのは、好印象で、リピートには繋がるけど、単価アップになるかというとならないんですよね。なので、前にやろうとされていた着物の輸出とか、そっち方面にどっかのタイミングで行けるといいなというふうに見ています。
H.R:なので、本当これはまだ全然何も、具体性がない。ただの夢みたいな感じなんですけど、私が今司法書士の勉強をしてるので。
伊藤:なるほど、はい。
H.R:もし受かれば、ウェブにすごい力を入れて、私が前面に出てもいいし、出なくてもいいから、司法書士だと、わりとウェブから案件を取ってくることもできたりするので、地元の方で、不動産だとやっぱり、登記とかもあるんですけど、相続登記とかもやりながら、ウェブ相談もこんな感じでやりながらお仕事されてる司法書士さんもいるから、っていうふうに、事業拡大みたいなのを買取店でしてもいいのかなっていうふうには思ってます。そうなってくると、パートさんが買取じゃない時間に、めっちゃウェブのマーケティングとかをできるようになってくれたら、どんどんできるのかなっていうのは思ってるんですけど、受からなきゃいけないんで、絵空事で終わっちゃうかもしれないですけど。
伊藤:あれはやってます?確か、宅建ってオンラインでもいいよっていう法律に、何年か前になったと思うんですけど。
H.R:そうですね。買取の店頭にも立つけど、予約が入った時間に宅建のオンラインで処理をして、お金を生み出すみたいなものとかもできるかもしれないですよね。うちも一応Zoomで契約みたいなのができますみたいなのが。うちホームページにあるけど全くやってないんで。
伊藤:あ、でもそう、司法書士はいいかもしれない。司法書士さんってめちゃくちゃアナログな人が多いんですよ。税理士とかもそうなんですけど、ほとんどパソコン使えない人多いんですね。マーケティングしっかりして、オンラインでバシバシ仕事を取れるチャンスはあるかもしれないです。
H.R:やってみたいなって思ってます。守秘義務みたいなところはかなり気をつけないといけないかなと思います。相続相談とか、相続登記の相談業務とかもできるかなとか。
H.R:あとは外国人の申請?司法書士ができるから。
伊藤:なるほど。
H.R:そういうのをできたらいいなと思ってて、いきなりやるのは難しいだろうなって思うので、その前にもっとワードプレスを使いこなすとか、LPやってみるとかっていうのを今の業務で一生懸命練習して、で、司法書士を受かったらやりたい、今だとやっぱ商圏の突破とかできないっていうので、どうしてもオフラインに振らなきゃいけなかったりっていうところもあるから、モチベを自分の中でそういうところに設定して、もっとオンラインを頑張っていくみたいなふうにやっていこうっていうふうには思っています。
H.R:永住権とか在留資格とかも司法書士ができるので、あと会社の設立登記とかもできるから、その辺ならオンラインでできそうだなって。
伊藤:そうですよね。
伊藤:もともと外国の方が多いっていう土地柄、そのコミュニティが広がっていくと、今は自動車系の会社で働く人が多いでしょうけど、コミュニティが増えれば、地場でもどんどん企業が増えていくはずなので、その発想は非常にいいかなと思います。
H.R:わかりました。
伊藤:じゃあ、その長期の計画も考えつつ、短期は短期で動いていかないといけないので。どうしましょうか。来月までに、どんな感じで。
H.R:来月までに、意外とパンパンなんですよね。だからどうしようって思ってて。ただ、私がやるっていう面だと、ちょっとあまりできないかもしれないんですけど、パートさんたちにやってもらうっていう面では、何かできるのかなと思って。
伊藤:前回ちょっと宿題頂いたんで調べたんですけど、ウェブの広告、貴金属系は8割はインスタのほうがいい。で、2割ぐらいをGoogleの広告に当てるといいかな。やっぱり単価が高いみたいなので。ちょっとお試しぐらいで、あと設定もちょっと難しいじゃないですか。もしわからなければ一緒にやりますし。
伊藤:インスタはたぶん前もやられたことあると思うので、7割8割ぐらいで動かすといいかなっていう状況です。
H.R:インスタ広告を3パターンぐらい出してもらってみようと思います。一つが貴金属系と、一つがワンストップサービス系と、もう一つが人にフィーチャーした感じ。働いてる、たぶん私が主になると思うんですけど。
H.R:動画編集をできるパートさんがいて、それで食べていきたかったけど断念したみたいな。できる人がいるので、その人に一個やってもらう、以前に道順紹介みたいな動画を作ったときに、すごい楽しそうに嬉しそうにやってたから、たぶんその人にやってもらうとモチベーションになるかなっていうふうに思うので、その方にちょっと簡単な動画のインスタ広告みたいなのをやってもらって、やってみることにしようと思います。
伊藤:インスタの広告って。別のプロジェクトでデータ見たんですけど、設定にもよるんでしょうけど、半分ぐらいがリールの枠に出てるんで、リールで見たときに見やすい動画にしたほうがいいねって話でした。つまり縦横比がおかしいとちっちゃくなっちゃったりするじゃないですか。そこだけちょっと工夫したほうがいいねっていう話です。
H.R:そうですね。わかりました。
伊藤:写真で出してもリールに、それがハマるとすごくちっちゃく、よくわかんないみたいになっちゃうので。縦型で作ったほうがいいのかなと思います。
H.R:来月末にはこれを、私が大体の企画とかを考えて、パートさんに作ってもらって実践するっていう感じで。ある程度数字とかも見てもらいながら、効果検証に相談するみたいな感じにできるように。
伊藤:あと、マストじゃないけど、もしできたら、さっき言ったホワイトペーパーの原案みたいなものも考えられると。それはウェブではダウンロードさせて見てらうし、ポスティングしてもいいと思う、そういうもの。ノウハウを記載していく。
伊藤:イメージ的に伝える広告もあれば、レスポンス型で、もっと具体、直球勝負で。うちはノウハウを持ってるんで、ぜひ相談してねっていう形になるので。そういう2パターンでポスティングとかもやってみて、顧客リストが増えるかやってみましょうか。
H.R:わかりました。これもやってみます。
伊藤:都会だとオンラインオンリーで成立するものが、地方都市だとオンラインとオフラインを行ったり来たりしながら、結局ここに決めましたみたいな形になると思うので、両方で使えるものを作っていくと効率が上がるといいなと思います。
H.R:ありがとうございます。頑張ります。
伊藤:はい。ではそろそろお時間となります。ありがとうございました。
H.R:どうもありがとうございます。

編集後記

今回の相談では、「理想と現実のギャップ」への戸惑いが印象的でした。当初想定していた顧客像と実際のニーズとの違いに直面し、一時的な混乱を感じておられる様子が伝わってきます。しかし、その違和感こそが事業成長の大きなチャンスです。現場での気づきを素直に受け入れ、戦略を柔軟に修正していく姿勢は、多くの経営者が見習うべき点でしょう。同様の課題を抱える皆様も、現状の数字に一喜一憂せず、顧客の声に耳を傾けることから始めてみてください。H.R様の今後の展開を心より応援しております。"

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