各社改題と向き合う:地方都市の企業の集客 競合が強い場合の戦略 2025年6月

地方都市で家族経営の事業を展開する経営者にとって、限られたリソースの中でどの事業に集中すべきかという判断は、まさに経営の生命線である。貴金属買取店を営むH.Rさんの相談は、多くの地方事業者が抱える「目先の利益と長期ビジョンの板挟み」「デジタルとアナログの融合」という普遍的な課題を浮き彫りにしている。本事例を通じて、地方ビジネスの現実と解決のヒントを探る。

こんな方に見て欲しい

  • 地方都市で複数事業を展開している中小企業経営者
  • 家族経営で事業承継や事業拡大を検討している経営者
  • ローカルビジネスのマーケティング戦略に悩んでいる事業者
  • デジタルマーケティングとアナログ手法の使い分けに課題を感じている経営者
  • 限られた予算でマーケティング効果を最大化したい小規模事業者
  • 不動産・買取・遺品整理などの地域密着型サービス業の経営者
  • 競合の多い業界で差別化戦略を模索している事業者
  • 地方でのGoogle DiscoverやSNS活用に興味がある経営者

1. 相談の背景

H.Rさんは家族経営で貴金属買取店を運営し、父親の不動産会社と連携した一連のサービス展開を目指している。しかし、目先の利益が見込める貴金属事業と、本当にやりたい不動産事業のどちらにマーケティングリソースを集中すべきか悩んでいる。地方都市特有の課題も抱えており、デジタルとアナログの手法をどう組み合わせるかが大きな課題となっている。

2. 相談の背景要約

H.Rさんは貴金属買取店を経営し、父親の不動産会社と連携して「空き家の出張買取→片付け→解体・売却またはリフォーム賃貸」という一連のサービス提供を目指している。現在は店舗での貴金属・ブランド品買取がメイン事業だが、本来やりたいのは不動産関連事業である。しかし、限られた予算と時間の中で、どちらの事業にマーケティングを集中すべきかで迷っている。貴金属買取は競合が多く広告費が高額で、これまで手を出してこなかったが、今月の集客不振を受けて検討している状況。

3. 問題点の抽出

問題点1:事業の優先順位とリソース配分の迷い 目先の利益が期待できる貴金属事業と、長期的に取り組みたい不動産事業のどちらにマーケティング予算と時間を投入すべきか決められずにいる。両方やりたいが、限られたリソースの中で効果的な配分ができていない。

問題点2:ローカルビジネスにおけるデジタルとアナログの融合不足 地方都市の特性上、インターネットマーケティングだけでは限界があり、従来の手法との組み合わせが必要だが、その最適な方法が見つけられていない。T新聞への掲載で大きな反響があったことから、ローカル媒体の重要性は認識しているものの、SNSやLINEとの連携がうまくいっていない。

問題点3:広告運用の知識不足と地域限定ターゲティングの課題 LPは作成したものの、効果的な広告運用方法がわからず実行に移せていない。また、商圏が限定的(1時間圏内)なため、広告を出しても対応エリア外からの問い合わせが発生する可能性があり、効率的な地域ターゲティングの方法が課題となっている。

4. ディスカッションまとめ

伊藤は地方都市特有の「検索習慣の低さ」という本質的課題を指摘し、Google Discoverを活用した解決策を提案した。検索されなくても情報が届く仕組みづくりと、リアルイベントとの連携による認知拡大戦略。H.Rさんの参加しているマルシェ活動も、単なる売上ではなく認知獲得の場として位置づけ直し、デジタルとの接点を作る重要性を示唆している。

弊社からのフィードバック

伊藤:貴金属の売り上げは何割ぐらいですか。
H.R:利益を不動産と分けてないので、出張買い取りをしたときになのであまりわからないんですけど。買取店単体で言えば8割ぐらいが貴金属。月によって違うんですけど、多いときは8割ぐらいが貴金属の利益になってしまうときがあります。
伊藤:なるほど、波が少なくて安定してる。
T.Y:貴金属は月によって最高値突破ってあるとガッと入ってきて、単価が高い分利益率が悪くて金額的には大きいので。先月とかそうだったんですけど、もう売り上げの8割ぐらいは貴金属。たまたまちょっとうまく買えたところもあったり、税金の関係上200万円がボーダーで、うちが利益取りやすくなったりするところの境だったりするので、そこで利益がポンと出ることがあって。1年で年単位で見ても貴金属の利益が一番大きいです。ただ個数でいくと、どんなお客様がいらっしゃるかによってすごく左右されてしまうので、金額が単価が低くても雑貨とかの買取とかは頑張って、そういうお客さんをしっかり接客してリピートしてもらおうっていうつもりではやってるんですけど、どうしてもそこだと人件費と戦いにはなってきます。ただ人件費分ぐらいは雑貨でも出るようにはなってきてるので、プラスアルファってところでは貴金属に頼っちゃってる感じですかね。
伊藤:わかりました。そういう状況であれば短期施策として、それはそれでやったほうがいいかなと思います。先ほどT.Yさんが言われたように、売上を担保するっていう目的で、不動産につながったりとかリピートにはつながらないけども、月間何件ぐらいは確実に来店してくれるよねっていうところを作っていけばいいかなと思います。一方でその買取が不動産につながったっていうパターンをよく分析してそこに対するキーワードの研究っていうのも同時にされたほうがいいかな。これは長期施策になるので、広告も使いながらどういうブログを書いていくと、最初は買取に来たけども不動産につながるねみたいなところが見えてくると思います。
伊藤:あとはもう一つ、立ち上げのときにちょっとお話が出てたと思うんですけども、廃棄、捨てるニーズのほうが意外とつながるんじゃないかな。最終的に捨てるから、その前に買取が入るのかもしれないですけど、前後の時系列、前後の必要なこともメモ書きで書いて整理していくと、いかに前工程で入っていけるかっていうところと、あと後工程で入っていけるかっていうところ。だとその付随品の処分みたいなところっていうのも需要としてはあるのかなとは思います。整理大変だったんじゃないですか。
T.Y:いや相当大変でしたよ。相当大変だったので、どのタイミングでどんなプロセスがあったのかみたいなところのインタビューを、お時間あれば全然、H.Rさんのインタビューと交換できるので、ぜひ。
H.R:お時間よければ聞きたいことがたくさんあります。
T.Y:はい、いっぱいあります。どんな検索してとか、どんなものを買い取ってもらってとか、どんなものが嫌だったとか、その辺のカスタマージャーニーマップじゃないですけど、ストーリー化しそうだなって感じはします。書けるんじゃないかなと思います。
H.R:ありがたいですね。どうやってお願いしたらいいですか。
T.Y:仲介に伊藤さん経由で日程調整を。
伊藤:1ヶ月はちょっと少ないねっていう感覚だと思う。H.Rさんとかは1ヶ月にもう1回ぐらいやってもいいかなっていうのを思っています。1ヶ月だとどうしても座学みたいな感じになっちゃうので、実践的にやろうとするとやっぱり2週間に1回とかやったほうがいいと思う。毎回参加できなくてもそんな感じの、ワークショップ的な座学じゃなくてっていうところはやってもいいかなと思います。
伊藤:大学生のときにじいさん死んだんですよね。僕一人で片付けたんですけど、2ヶ月ぐらいかかったんですよね。廃棄とか売却の前に一緒に片付けてくれる人いると、凄くいいのかなって思います。
T.Y:多分ね大半その感覚だと思います。おじが亡くなったんですけど、母も自分が片付けなきゃって感覚あるんですよ。自分の家だから自分が片付けなきゃじゃなくて、搬送してくれるよとこんなの1年かかるよっていう感覚だったんです、母は。でも僕は知ってたから、いや別に来てもらう、早く終わるんじゃないのって言ったら、実質2日で終わったので、廃棄まで。
T.Y:実際のユーザーさんの思ってたことと実際のサービスの知ってほしいこととユーザーさんの認知のところのギャップがあることが明確だなという。それとも実際にお客さんと接客されている様子があると思うので、多分事実つかめてるんじゃないかなと思うんですけど。
H.R:今ちょっとハッとしたのが、社長が私すごい人がいいなって思って、協力があんまりしてないんですけど、そうやっていくと、大きい家具とかを、1回だけ僕をただで使う権利をあげますとか言って、家具とかを一緒に大きいトラックで運んでクリーニングセンターに捨ててあげるっていうのをサービスでやってるんですよ。あくまでご本人が動いて、ご本人が捨てるのを助けるっていう形なので、うちの市は、産業廃棄物は無料でクリーニングセンターで捨てることができるので、無料で捨てて、うちもそれには全くお金はもらってなくて、不動産の解体とか売却とかしてくれる人に社長がいいよいいよってやってるんですけど、それをするとすごい喜んでくださって。ただ知らない人が入ってきて片付けするより、思ってるより自分でやりたいって思ってるのかなって思いました今の話を聞いて。
T.Y:と思います。ご家族の事だし、ある程度プロが搬送してくれるっていうことで、たぶん人生でそんなにないわけじゃないですか、貴重品もある。相続っていうことでいくと、捨てていいものなのかどうかわからない。一般的にここ普通皆さん捨ててますよって言ってくれたら、じゃあ捨てていいのねってなるんですけど、わかんないんですよ。わかんないからこそ近くにいてくれると嬉しいよね。例えばそれが何か物が出てきたときに、うち買い取りやってますって言ったら、じゃあお願いしますになるんですよね。何ならこの土地のところも不動産ご相談できるんだったら、お願いしたいんですよねってなってくるんじゃないかなっていう感じはします。
H.R:なるほど。そうですね。自分でやりたい人も居る。私の世代観的には、引っ越しするときとかも結構周りも頼んじゃえばいいじゃんって、全く手つけたくなくていうのが多いから、ちょっと何かなるほどって思いました。自分でやることが供養とか、いろんな心理にもつながるのかもしれないですね。
H.R:今やってるサービスが商売につながるのかは社長と相談なんですけど、人数とかやれる。多分廃棄はルールがいろいろあると思うんで、伴走っていうのは今までに私になかった視点だったので、もうちょっと色々できるかなって今思いました。ありがとうございます。
伊藤:社長、おっさんレンタルみたいなサービスですね。
T.Y:そうです本当に。
H.R:私も行く?とか言うと、いや一人で行くからとか言って、軽トラに乗って行って、クリーンセンターまでついて行って帰ってきてます。草刈りとかも一緒にやってます。
伊藤:では、どうしましょうか、月末ぐらいか月初ぐらいに何かやります?お互いインタビューどうですか。
T.Y:わかりました。ちょっとそれまでにH.Rさんの事業の概要を理解してないので、確認しておきます。じゃあホームページとインスタグラムのURLを貼っておきますので。
T.Y:わかりました、ありがとうございます。
H.R:これはホームページですか。
T.Y:商品のページです。すいませんそれもわかるように。このページをいろいろ見てもらえると。
H.R:わかりました。じゃあこのページをいろいろ見ておきます。ありがとうございます。
T.Y:ありがとうございます。
伊藤:では本日は以上となります。ありがとうございました。

この記事のまとめ

H.Rさんの相談は、目先の収益と将来への投資という経営者なら誰もが直面するジレンマを如実に表している。「やるやる詐欺」という自己言及からは、完璧主義と行動への不安が垣間見える。しかし、T新聞での成功体験は、地方だからこそ持てる強みを証明している。同じような状況で悩んでいる経営者の皆さん、完璧な戦略を待つより、小さな一歩を踏み出すことから始めませんか。H.Rさんも、きっと次の一歩を踏み出せるはずです。

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