
SEO対策とツール活用の実践ガイド|低コストで集客効果を最大化する
※この記事は2025年10月開催のオンラインサロンの内容を元に作成しています。
SNSが全盛の時代に、なぜいまだにSEOなのか。その答えは「持続性」にある。三日で消えていく投稿と、三年経っても読まれ続けるコンテンツ。どちらがビジネスの土台を作るだろうか。実は、多くの企業が見た目のデザインやトレンドに目を奪われ、本質的な集客の仕組みづくりを見落としている。半年から一年という時間はかかる。しかし、正しい方向で努力すれば、コストをかけずに永続的な効果を生み出せるのがSEOだ。本記事では、具体的なツールの使い方から、見落としがちな技術的な最適化まで、実践的なノウハウを解説する。
- 自社サイトの集客に悩んでいるが、広告予算を抑えたい経営者・マーケター
低コストで永続的な集客を実現したい方に、SEOの本質的なメリットと具体的な施策をお伝えします。 - ブログやコンテンツを発信しているが、思うように成果が出ない方
正しい方向性で努力できているか不安な方に、ツールを使った効果測定と改善の方法を提案します。 - サイトのデザインにこだわったが、アクセスが伸びない事業者
見た目だけでなく、内部構造や技術的な最適化の重要性を理解し、実践したい方に最適です。

目次
なぜ今SEO対策が必要なのか?低コストで永続的な集客を実現する方法
「一般的な方で言うとSNSのほうが強力なパワーがあるんじゃないのっていうふうに考える方もいらっしゃると思うんですけれども」
「実はSEOには大きなメリットがあります」。
伊藤はこう切り出した。SEOの最大のメリットは圧倒的にコストが安いということだ。自分で文章を書ければコンテンツを作成して集客につなげることができる。最近ではAIもできてきているので、AIと対話しながら良質なコンテンツを作ることはかなり簡単になってきている。
2点目は効果が永続的ということである。「一度獲得したそのSEOの上位表示というのは、なかなか順位の変動というのはしないものなんですね。3年前に作った投稿が今も見続けられるっていうのはSEOの中では当たり前の世界なんですけれども、反対にSNSのほうは3日前に投稿したものが見られることはほとんどない」。いわゆるストックとフローという考え方でいくと、SEOはストック型のビジネスになるわけだ。
もちろんSEOにもデメリットはある。効果が出るまで一定の時間がかかってしまうということだ。目安で言うと半年から1年かかる。ただし伊藤は「やれば確実にSEOは結果につながるんですけども、条件があって、正しい方向に努力されたときっていうことですね」と強調する。だからこそ、そのノウハウをきちんと確認しながら、振り返りながら進めていくことが重要になる。
SEOの施策は大きく分けると外部施策と内部施策に分かれる。外部施策の中心は被リンクだ。「昔ほど被リンクの効果はないと言われていますが、それでも他のサイトから紹介されることの価値は今も健在だ」と伊藤は言う。簡易的にできる方法としては、サービスや商品を販売するというプレスリリースのサイトだったり、あるいはジャンルが近いサイト同士でお互いに相互リンクを貼ったりすることも、被リンクの効果を得るアクションになる。サイトを運用する上では、特に初期の段階で検討したい施策である。
そして、最近言われているのはサイテーションだ。言及という日本語訳になるが、「SNSや別サイトで、このサービス、このショップよかったよとか、固有名詞付きでつぶやかれるとですね、それもサイトの価値向上に寄与するというふうに言われています」。よくあるのはSNSだが、レビューサイトやGoogleのマイビジネスにコメントが入ることもここに含まれている。参加者のY.Kさんから「サイテーション、言及ということがありましたけども、もう少し掘り下げて説明していただけないかなと思います」という質問があった。伊藤の回答は明快だった。「このサービスが固有名詞として人々に認識されてるかっていうところが一点なんですね。つまりY.Kさんのサービスっていうとジンタノっていう固有名詞が一人歩きしてればいるほど、そのサービスは質が高いよねっていう認識される。2つ目がレビューですね。シンプルに星がついたりするようなものもプラスになると言われてる」。サイテーションは被リンクほどの効果ではないが、SEOを後押しする要素として注目されている。
一方の内部施策について、伊藤はこう説明する。「外部施策だと、相手の了承が必要なのでなかなかコンスタントに外部施策を行うことって、難しいんですけれども、内部のほうは内製化できますので、項目整理して対応できるところは自分でやっていくし、ご自身でできない場合は業者を使って、内部施策を高めていってください」。内部施策は内部リンク、タグと属性、引用と外部リンク、そして著者紹介の4つに分類される。内部リンクの代表的なものは、フッターにメインとなるサービスやこのカテゴリーをリンク付きで記載していくことだ。各記事には関連記事へのリンクを貼っていく。「Y.Kさんと一緒にやってますけれども、用語集なんかを作っていくと、そのタグごとにリンクが貼られていくので、この内部リンクの充実に非常に便利なツールだったりするので、こういうものを入れてみるのも良いでしょう」。
タグと属性では、いわゆるHTMLという言語の設定をしっかりしていくことが求められる。一番重要なのは相変わらずタイトルだ。投稿のタイトルを十分吟味した中で最適化していく。それからディスクリプション、このページにはこんなことが書かれているというサマリー、説明文も非常に重要である。「できればH1必須でH2とかH3まで入れていって、構造を整理していってください」とHタグについても言及があった。Googleは文章が良い文章か良くない文章かの判断基準として、構造的にテキストが整理されているかというところを評価していく。「なので内容が面白くても雑談ベースで話の方があっちこっち言ってるようなものは実は評価されない傾向があります。だから、きちんと順序を立てて説明をしていけるかっていうところ、その見出しがHタグになるわけです」。
alt属性も重要だと言われている。伊藤が「Y.Kさん、alt属性覚えてますか?」と問いかけたところ、H.Rさんが「画像に画像の説明とか入れてみたいなやつでしたっけ?」と答えた。「正解です。よかったです」と伊藤。画像に対してきちんと説明文が加えられているかどうかで、丁寧なサイトかそうでないかをジャッジしているのだ。
参加者のM.Mさんから「この中で全部やれないけど何かだけでもやったほうがいいっていうのがあったら優先順位っていうか、どれを頑張ったらいいですか?」という実践的な質問があった。伊藤の答えは「基本的には上から順番に効果が高いと言われてるので、まずタイトルの最適化ですよね。それから説明文の最適化」というものだった。H.Rさんは「うちのはいじれないと思います。あとAIもちょっと頭が良くないと今思っていて、その2つがちょっと課題だなって思ってます」と率直に現状を語った。伊藤は「皆さん、割とサイトのデザイン性みたいなところにどうしても目が行きがちなんですけど、機能性のところを契約するときに、SEOわかる方に事前にチェックしていただくだけでも、だいぶ変わってくるかなと思います」とアドバイスした。
引用と外部リンクについても触れておこう。「〇〇のサイトでは××と言われてますが、みたいな形で、予算サイトの引用文を持ってきて、そのリンクを貼る。被リンクではなくて、今度は外側に貼っていくアウトバウンドリンク。そうすると客観性が担保されるわけですね」。自分たちのサイトよりも権威性の高いものを引用し、そこについて詳しく研究していくことで、非常に大きく加点のポイントになると言われている。
そして著者紹介だ。「これからのSEOにかなり重要になってくると考えてもいいでしょう」と伊藤は強調する。なぜなら文章自体はこの1年ぐらいでAIで自動生成が進んできたからだ。「先週ニュースで見たんですけれども、実は全世界のコンテンツの約5割はAIで生成されてるそうです」。やはり何が書いてあるかというよりも、誰が書いたのかというところが非常に重要になってきている。「今、Y.Kさんのサイトではプロフィールのページを作成して、そこをベースにサイトのパワーをためていこうねっていう施策を進めてる最中になります」。目立つ場所に置かなくてもいいが、この人が書いているというところに簡単なプロフィールを入れていただいて、そこが根拠の中心になるという設定をすることが推奨されている。
この項のまとめ
- SEOは低コストで永続的な集客が可能なストック型ビジネスモデル。3年前の投稿が今も読まれ続けるのに対し、SNSは3日前の投稿すら見られない
- 効果が出るまで半年から1年かかるが、正しい方向で努力すれば確実に結果につながる。ノウハウを確認しながら振り返って進めることが重要
- 外部施策では被リンクとサイテーション(固有名詞での言及やレビュー)が重要。特に初期段階ではプレスリリースや相互リンクを検討すべき
- 内部施策は自社でコントロール可能。優先順位はタイトル、ディスクリプション、Hタグ、alt属性の順。サイト契約時にSEO機能の有無を確認することが肝心
- AI生成コンテンツが全世界の5割を占める今、「誰が書いたか」を示す著者紹介ページの設置が、これからのSEOでますます重要になる

Googleサーチコンソール・GA4・キーワードプランナーで勝つSEO戦略
「じゃあどんなツールがあるのっていうところなんですけど、大きく分けると4種類ですね」と伊藤は説明を始めた。SEO対策を進める上で、効果測定と分析は欠かせない。ここでは具体的なツールの使い方と、それぞれが果たす役割について見ていこう。
一つ目が一番大事なサーチコンソールというものになる。分かりやすく言うと、クリックされる前のデータだ。クリックされた後はGA4、Google Analyticsになるが、クリックされる前のデータを扱うツールになる。「経営で言うとバランスシートみたいなものですね。これが安定していれば、いい会社だよね、いいサイトだよねっていうふうに言えるかなと思います」。
サーチコンソールの主な機能は、まず作成したブログのURLの申請ができることだ。都度登録しに行くのは効率よくないので、サイトマップというXMLファイルを作成し、それを登録していく形になる。これによって申請の自動化ができる。どんな指標が見れるのかというと、基本的には三つだ。インプレッションとクリック数、それから掲載順位である。「皆さん関心があるのはクリック数だと思うんですけど、インプレッションが増えていかないとクリック数っていうのは増えていかないんですね。なので、インプレッションをいかに効率的に上げていけるかっていうところがSEO対策でありますし、ブログ自体の企画力ということになってくると思います」。それからエラーの通知がくるので、ここを修正してくださいねというところ、SEO的に良くないですよというところを指摘してくれる。「これを無視せず、きちんと直していくことが非常に重要になってきます」。
二つ目は、みんな大好きGA4だ。クリックされた後のデータ、サイトの中でユーザーがどういう行動をしているというところが見て取れる。「経営で言うとPLですね。その損益計算書に近いかなと思います」と伊藤は例える。機能としては、何人来たのというところと、どれぐらい見たのというところだ。表記的には古い表記になるので、新しい表記で言うと、ユニークユーザーと昔は言っていたが、アクティブユーザーと用語はバージョンアップして変わってきている側面がある。
それから、そのページに何分アクティブに滞在したかというところも計測されている。「内容変えてみて滞在時間が伸びれば、それはSEOとして将来的に効果を見込めるねっていうところがありますので、この平均のエンゲージメント時間をどう伸ばしていくか?っていうところがコンテンツ企画の肝になってきます」。それからユーザーがそのページ内でどんな、例えばこのボタンをクリックしたみたいなところの計測もできる。ただしデフォルトの設定はすごくデータが粗い情報になるので、もっと細かいデータを取るときにはGoogle Tag Managerを使用して設定をしていく形になる。「Tag Managerのほうは若干のJavaScriptの設定が必要になってきますので、そこもお勉強できるといいかなというふうに思います」。
三つ目はキーワードプランナーだ。基本的には広告のツールになるが、第一キーワードとそこに付随する第二キーワードをデータに入れる。クリック単価の予測だったり、競合性の可視化ができるので、どれぐらい難しいのかなというところ、そのキーワードに対して成果が見込めるかというところがあらかじめ予測できるわけだ。「つまり広告というのは即効性があるんですよね。お金を出したらすぐチャレンジできるんですけれども、SEOの場合は先ほど申し上げたとおり、半年とか1年かかるわけですね、成果が上がるのに」。だからこそ、このキーワードプランナーのツールを使って、きちんと予測を立てた上で勝負に出ることが重要になる。
SEOのセオリーとして、いきなり強い敵を倒すことはできない。「なので競合が弱いところを狙って勝ちやすく勝っていくっていうところ、そのためにSEOのツールではないんですけどもキーワードプランナーを使っていくと予測が立てやすいかなというところ、道筋を立てて企画を立てていきましょうねということになります」。
最後はLooker Studioというものがある。別の言い方をするとレポートを取得するだけのツールになる。なぜGA4だけでは駄目なのかというと、実は操作慣れるまで結構学習の時間が必要になる。「GA4は基本的には二要素までしか抽出できないので、いろんなデータを多角的に見ることができないんですね」。なので、このLooker StudioとGoogle Analyticsを結びつけて、いろんなグラフとか、円グラフとか、折れ線グラフとか、あるいはピボットテーブルみたいなものも作成できる。「GA4をある程度マスターした方はLooker Studioをぜひ使ってみるといいかなというふうに思います」。
4つ目はその他のツール、例えばGRCというのがある。各ページとか各キーワードに対して順位変動を可視化できるので、これもある程度サイトの規模が大きくなってきたときには導入を検討したほうがよろしいかなというところだ。それからUbersuggestである。これもキーワードプランナーと似た要素になるが、「キーワードプランナーもやっぱりなぜかGoogleのツールって結構使い勝手というかが悪くて覚えるの大変だったりするんですけど、もっと簡単にできるツールがあります」。キーワード調査と、あとは競合と比較して、そのワードが難易度が高いか低いかというところを検出してくれるツールになる。
参加者のY.Kさんから質問があった。「Ubersuggestのことに関してお聞きしたいんですけど、Ubersuggestで競合相手がどれだけの広告費を使ってるとか、競合相手がどんなキーワードで検索されてるかっていうのは、競合相手の調査にも使えるんでしょうか。そこをお聞きしたいです」。
伊藤の回答はこうだ。「競合調査で二つの面があります。一つが広告として難しいかどうかっていうところと、もう一つがSEOとして難しいかどうかっていう、二つの側面をツールで見ることができます。なので、先ほど申し上げたとおり、SEOは非常に長期戦になるので、いきなり強い相手から戦うと負けてしまう可能性があるんですね。資金が尽きてしまう、あるいは期間が足りなくて撤退なんて場合が出てくるので、勝ちやすいのはどのゾーンなのかな?っていうところを、いろんなツールを使って事前に調査しましょうねということになるかと」。
これらのツールを使いこなすことで、SEO対策の効果を正確に測定し、次の施策に活かしていくことができる。特にサーチコンソールとGA4は必須のツールであり、キーワードプランナーやUbersuggestは戦略立案に欠かせない。それぞれのツールの特性を理解し、組み合わせて使うことが、SEO成功への近道となる。
この項のまとめ
- サーチコンソールは「クリック前」のデータを扱うバランスシートのような存在。インプレッション数を増やすことがクリック数増加の前提条件
- GA4は「クリック後」のユーザー行動を分析する損益計算書。平均エンゲージメント時間を伸ばすことが企画の肝となる
- キーワードプランナーで競合性やクリック単価を事前予測し、勝ちやすいキーワードから攻める戦略が重要。SEOは長期戦なので失敗のリスクを最小化する
- Looker StudioはGA4の二要素制限を超えて多角的なデータ分析を可能にする。円グラフ、折れ線グラフ、ピボットテーブルなど多様な可視化が可能
- Ubersuggestはキーワードプランナーより使いやすく、競合の広告費やキーワード難易度を簡単に調査できる。GRCはサイト規模拡大後の順位変動追跡に有効

カテゴリー構成・サイトスピード・構造化データで検索順位を3倍にする方法
「最後の単元、その他のSEOですね。今までのところはコンテンツを作って、そこをきちっと可視化していこうねっていうところになるかと思うんですけど、それ以外の要素も実はあります」と伊藤は切り出した。良質なコンテンツを作ることは大前提だが、それだけでは不十分だ。技術的な最適化がSEOの成否を大きく左右する。
大きく言われているのはカテゴリー構成が非常に重要だということだ。「優れたページがあったとしても、孤立してると評価されにくいですね。なので、カテゴリー構成を見直しましょうというのが一つですね」。Googleのほうはカテゴリーに対してクローリングをかけて分析をしている。それから一つのテーマに関して、三つから五つのコンテンツを作成していくことが、この2、3年の流れになってきている。
具体的な構成はこうだ。「ピラーと言われる総論、核となるようなページをまず作ります。そこからブランチングしたクラスター、各論のページ」を展開していく。例えばY.Kさんでいうと、漆喰の内装みたいな総論があったときに、漆喰の値段とか、漆喰のメンテナンスとか、漆喰の素材選びみたいな、あるいは漆喰のデザインみたいな、各論の記事とセットで三つから五つを展開していく。「なので、今、非常に見られてるページがあったとしても、このクラスター記事を追加することで、さらに伸びる可能性が出てくるので、そこも含めて検討し経過をみていきます」。
続いてサイトスピードも非常に重要だと言われている。Core Web Vitalsと言われるもので、三種類ある。LCP、CLS、INPだ。「どんあ内容なのかっていうと、一番大きなコンテンツが表示されるまでの時間、どれぐらいですか?っていう指標ですね」とLCPについて伊藤は説明する。一番多いのは、やはり一番最初にある大きなきれいなグラフィック、画像が評価されるケースが多いので、画像をいかに最適化できるかというところだ。
それからレイアウトシフト、CLSである。「レイアウトが崩れる、要するに、ウザさの度合いを数値化した指標になります。なので、これが高いと詐欺みたいなページだねっていう評価になるわけです」。最後がINP、ユーザーがアクションを起こしたときに反応までどれぐらい時間かかるかという指標になる。
見方について伊藤は実演しながら説明した。「どれが一番いいのか。このGoogle ChromeのDeveloper Toolsを開いていただいて、そうするとパフォーマンスというデータがあるので、これをリロードしていただくと、先ほどの3大指標が出るので、これ合格ですね、グリーンなので。これはアウトですね。なので、CLSは改善の余地がありますねっていうことですね」。アクションを起こすとINPが出るので、「3大指標がレッドになってないかっていうところは、時々チェックをしておいてください」とのことだ。
ここで参加者から興味深い質問があった。「皆さんに聞いてみたいんですけど、サイトスピード、今、三つ伊藤さんから説明があったんですけど、サイトのスピードを測定というかチェックしたことのある方がどれだけ見えるかって聞いてみたいんですが」。伊藤が参加者に挙手を求めたところ、H.Rさんだけが手を挙げた。「見た目とか文章とかって非常に関心あるんですけど、裏側もしっかり対応していかないと、そこも掛け算で評価されていくので、新しいページ作ったら、きちんと三大指標が合格してるかどうかっていうところはチェックされたほうがいいかなと思う」。
特に注意が必要なのは、写真をたくさん使った場合だ。「写真いっぱい使ったりすると、リッチなページでお客さん、ユーザー満足するんですけど、Googleの評価は低いねみたいなことが起こりうるので、その辺りは非常に注意が必要かなと思います」。
そして三つ目が構造化データだ。「良質なコンテンツを作るところが大原則なんですけれども、実は裏側のソースコードって膨大なものなんですね。なので解析に非常に時間がかかります」と伊藤は説明する。だからこそ、Google専用にこのデータ見てというものをJSON-LDという方式で、ページごとに各々入れていくことが非常に重要になってきている。
ここで伊藤は驚くべき実例を紹介した。「今、お手伝いしてるサイトでJSON-LDコードを7月に入れた結果、3カ月でサイトのアクセスは3倍になりました」。良質なコンテンツを作る一方で、きちんと構造化データとしてGoogleに伝えられるかというところも非常に重要になってきている。
構造化データは、Googleが膨大なソースコードを解析する手間を省き、ページの内容を正確に理解するための仕組みだ。JSON-LD形式で記述することで、記事の種類、著者情報、公開日、評価などの情報を機械的に読み取りやすい形で提供できる。これにより検索結果での表示が最適化され、クリック率の向上にもつながる。
これらの技術的SEO対策は、一見地味に見えるが効果は絶大だ。カテゴリー構成の最適化により関連コンテンツ同士の評価が高まり、サイトスピードの改善によりユーザー体験が向上し、構造化データの実装によりGoogleの理解が深まる。コンテンツの質を高めることと並行して、こうした技術的な側面にも目を向けることが、SEOで成功するための鍵となる。
伊藤は最後にこう締めくくった。「見た目とか文章とかって皆さん非常に関心あるんですけど、裏側もしっかり対応していかないと、そこも掛け算で評価されていく」。表と裏、両面からのアプローチこそが、検索順位を大きく向上させる秘訣なのだ。
この項のまとめ
- 優れたページも孤立すると評価されない。ピラー(総論)とクラスター(各論3〜5記事)の構成でカテゴリーを設計することが重要
- Core Web Vitalsの3大指標(LCP・CLS・INP)をChrome Developer Toolsで定期チェック。写真が多いリッチなページほどGoogleの評価が低くなるリスクがある
- 構造化データ(JSON-LD)をページごとに実装することで、Googleの解析時間を短縮し正確な理解を促進。実例では3ヶ月でアクセス3倍を達成
- 多くの人が見た目や文章に注目するが、裏側の技術的最適化も掛け算で評価される。新しいページを作るたびに技術面のチェックが必須
- コンテンツの質を高めることと技術的SEO対策は両輪。表と裏、両面からのアプローチが検索順位を大きく向上させる鍵となる
編集後記
SEO対策と聞くと難しく感じるかもしれない。実際、サイトスピードをチェックしている参加者が一人だったように、多くの事業者がデザインや文章に目を向けがちで、技術的な側面は後回しになってしまう。それは決して怠慢ではなく、目に見えるものを優先してしまう人間の自然な心理だ。しかし伊藤が繰り返し強調したように、SEOは「正しい方向で努力すれば確実に結果につながる」ものだ。半年から1年という時間はかかるが、それはストック型の資産を築く期間でもある。H.Rさんのように「AIが頭が良くない」と率直に課題を共有し、Y.Kさんのように「ジンタノの運営に注意したい」と前向きに受け止める姿勢こそが、成功への第一歩だ。完璧を目指さず、できることから始めよう。あなたのサイトも必ず成長する。
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講師紹介
株式会社ボンセレ 代表取締役
伊藤 祐介(いとう ゆうすけ)
❖ プロフィール
東京出身の“氷河期世代”。
身長182cm、見た目は大きめ、中身は細かめ。
公務員からスタートし、フレンチレストラン、築地魚河岸、ワインショップなど、業種も業界も超えて現場を経験。のちに広告代理店、EC支援、WEB制作へと軸足を移し、現在は複数企業のWEB戦略を支援。実務と現場視点に根ざした教育者です。
❖ 専門領域
WEBマーケティング/EC戦略立案
コンテンツ企画・制作
広告運用(SNS/検索)
顧客接点の設計とCRM支援
❖ 教育観・講義スタンス
「右腕は、育てることができる」。
人は“経験”だけでは変わりません。
変化するのは、思考のプロセスを鍛えたとき。
私は現場から、企画・広告・制作・接客・分析まで、すべての工程を実践してきました。だからこそ、「考えて動ける右腕」を育てるには、手を動かし、振り返り、問い直す場が必要だと考えています。
❖ 右腕育成にかける思い
「社長の想いを言語化し、現場に翻訳する存在」が右腕です。
単なるWEB人材ではなく、“経営を理解し、支える人材”を育てたい。
ひとつの強みを見つけ、自分にしかできない貢献の形を築く――
それが、このプログラムのゴールです。
❖ 私のルーツ
仮説実験授業(板倉聖宣 提唱)
科学的な思考法とディスカッションベースの学びに影響を受ける。プログラミングとの出会い
高校時代にBasicからスタート。VBAでの業務改善からWEB制作へ。
❖ 好きなこと
食べること・飲むこと・考えること。
最近のブームは激辛料理(ブートジョロキア)。
