
順位別CTR改善戦略:Search Consoleデータから始める実践的リライト手法
※この記事はオンラインサロンの内容を元に作成しています。
Search Consoleで検索順位は悪くないのに、期待したアクセスが得られない――その原因はクリック率(CTR)の低さにある。検索パフォーマンスレポートを見ると、平均掲載順位3位なのにCTR1%未満というケースは珍しくない。本来なら15〜20%のクリックを獲得できるはずが、タイトルタグやメタディスクリプションが検索意図とズレているため、ユーザーに見過ごされているのだ。本記事では、検索順位1位・5位・10位それぞれの標準CTRベンチマークと実測値を比較し、クエリ分析からタイトル・ディスクリプションのリライトまで、CTR改善の実践手順を順位別に解説する。
この記事を読んで欲しい人
- Search Consoleで順位は上がったのにアクセスが増えない担当者: 表示回数(インプレッション)は多いのにクリック数が伸びず、CTRが業界平均を大きく下回っている原因を特定し、具体的な改善手順を知りたい方
- タイトル・ディスクリプションの書き方に自信がない初任者: メタタグの最適化が重要だと理解しているが、どう書けばクリックされるのか基準がわからず、試行錯誤を繰り返している方
- 限られた時間で成果を出したいマーケティング担当者: すべてのページを改善する余裕はないため、Search Consoleのデータから優先順位をつけて、最も費用対効果の高いページから改善したい方

サイト改善の全体像を解説「 Search ConsoleとGA4で成果を出すSEO改善の全手順」
こちらの関連記事も併せてご覧ください。「サイト改善」を総論的に解説しています。
目次

Search Console CTRの基本:順位別ベンチマークを理解する
CTR改善の第一歩は、現状が「良いのか悪いのか」を正しく判断することだ。多くの担当者がSearch Consoleのパフォーマンスレポートを開いても、表示されているCTRの数値が適正なのか判断できず、改善の優先順位をつけられない。ここでは検索順位別の標準CTRを示し、自社サイトとの比較方法を解説する。
検索順位別の平均CTR
オーガニック検索におけるCTRは検索順位と強い相関関係がある。一般的なベンチマークは以下の通りだ。
- 1位:27.6% – 検索結果1ページ目のトップに表示されると、約4人に1人がクリックする
- 2位:15.8% – 1位との差は大きく、約半分のCTRに落ち込む
- 3位:11.0% – 3位でも10%を超えるクリック率を維持
- 4位:8.1%
- 5位:6.3% – ファーストビュー下部でも一定のクリックを獲得
- 6位:4.5%
- 7位:3.4%
- 8位:2.6%
- 9位:2.1%
- 10位:1.6% – 1ページ目最下部では100回表示されて1〜2クリック程度
この数値はあくまで平均であり、検索クエリの種類や業界によって変動する。ブランド名検索なら1位で50%を超えることもあれば、情報検索型のクエリでは1位でも20%を下回ることもある。重要なのは、自社の実測値がこのベンチマークと比較してどうかという相対評価だ。
デバイス別・検索タイプ別の違い
CTRはデバイスや検索タイプによっても大きく変動する。モバイル検索ではリッチスニペットや強調スニペットが表示されるとオーガニック検索結果が下に押し下げられ、1位でもCTRが低下する傾向がある。
Search Consoleのパフォーマンスレポートでは、デバイス別(PC・モバイル・タブレット)や検索タイプ別(ウェブ・画像・動画)にフィルタリングできる。全体の平均CTRだけでなく、デバイス別に分析することで、「モバイルでのCTRが著しく低い」といった具体的な課題が見えてくる。
CTR低下の3つの主要因
ベンチマークより明らかに低いCTRが確認できたら、原因は主に3つに分類できる。
第一に、タイトルタグが検索意図とズレているケースだ。例えば「WordPress 初心者 使い方」で3位表示されているのに、タイトルが「WordPressの高度なカスタマイズ手法」では、初心者は自分向けではないと判断してクリックしない。
第二に、メタディスクリプションが魅力的でないケースだ。検索結果画面ではタイトルの下にディスクリプションが表示される。ここで「このページには求める情報がある」と感じさせられなければ、競合サイトにクリックを奪われる。
第三に、構造化データやリッチスニペットの未実装だ。競合が星評価や価格情報をリッチスニペットで表示している中、自社だけ通常の検索結果では視覚的に劣り、クリックされにくくなる。
次のセクションでは、Search Consoleのパフォーマンスレポートから具体的にどのページを優先改善すべきか抽出する方法を解説する。
この項のまとめ
伊藤が最初にCTR分析を始めた頃、「5位で3%なら悪くない」と判断していたが、ベンチマークの6.3%と比較すると半分以下だった。この「基準を知らない」状態が最大の問題だ。順位別の標準CTRを理解すれば、改善の余地がどこにあるか一目瞭然になる。特にモバイルとPCでCTRが大きく異なるケースは多い。伊藤が担当した壁紙販売サイトでは、PC版は順位相応のCTRだったが、モバイル版が著しく低く、タイトルの文字数超過が原因だった。デバイス別の分析を怠ると、こうした具体的な課題を見逃してしまう。

Search Consoleで改善対象ページを抽出する方法
ベンチマークを理解したら、次は自社サイトの中から「CTRが低く、改善の余地が大きいページ」を特定する作業に入る。すべてのページを一律に改善する時間はないため、費用対効果の高いページから優先的に手をつける必要がある。Search Consoleのパフォーマンスレポートを使った具体的な抽出手順を解説する。
パフォーマンスレポートの基本操作
Search Consoleにログイン後、左メニューから「検索パフォーマンス」を選択する。デフォルトでは過去3ヶ月のデータが表示されるが、日付範囲は「過去28日間」に変更することを推奨する。直近のデータに絞ることで、最新のアルゴリズム変動や季節要因を反映した分析が可能になる。
画面上部には「合計クリック数」「合計表示回数」「平均CTR」「平均掲載順位」の4つの指標が表示される。ここで「平均CTR」と「平均掲載順位」の両方にチェックを入れる。これにより、各ページの順位とCTRを同時に確認できるようになる。
次に画面下部のタブで「ページ」を選択する。するとURL単位でクリック数、表示回数、CTR、掲載順位が一覧表示される。この状態で「表示回数」の列をクリックして降順にソートすると、インプレッションが多いページから順に並ぶ。
優先改善ページの判定基準
改善対象を選ぶ際の判定基準は2つだ。
基準①:表示回数が多い インプレッションが月間1,000回以上あるページを優先する。表示回数が少ないページは、CTRを改善してもクリック数の増加幅が小さい。一方、月間5,000回表示されているページでCTRを3%から6%に改善できれば、月150クリックから300クリックへと倍増する。
基準②:CTRがベンチマークを大きく下回る 平均掲載順位が5位なのにCTRが2%しかない場合、本来得られるはずの6.3%との差は4.3ポイントだ。仮に月間表示回数が3,000回なら、129クリックを逃していることになる。この「機会損失」が大きいページほど優先度が高い。
具体的には、掲載順位が10位以内で、かつCTRがベンチマークの50%以下のページをリストアップする。例えば3位でCTR5.5%未満、5位で3.2%未満、10位で0.8%未満といった基準だ。
クエリ単位での深掘り分析
ページ単位で問題ページを特定したら、次はそのページがどの検索クエリで表示されているかを確認する。パフォーマンスレポートで問題のページURLをクリックし、上部の「+新規」ボタンから「ページ」フィルタでそのURLを指定する。
その状態で下部のタブを「クエリ」に切り替えると、そのページがどの検索キーワードで何位に表示され、どれだけクリックされているかが一覧表示される。ここで注目すべきは、表示回数が多いのにCTRが極端に低いクエリだ。
例えば「WordPress 使い方」というクエリで月間800回表示され、平均掲載順位4位なのにCTRが1.5%という場合、タイトルやディスクリプションがこのクエリの検索意図に合っていない可能性が高い。検索クエリを見れば、ユーザーが何を求めているかが推測できる。「使い方」というキーワードなら初心者向けの手順解説を期待しているはずだが、タイトルが「WordPressの管理画面カスタマイズ手法」では意図がズレている。
国別・デバイス別のセグメント分析
さらに詳細に分析したい場合は、国別やデバイス別にフィルタリングする。「+新規」から「デバイス」を選択し、「モバイル」のみに絞ると、モバイル検索でのCTRが確認できる。
伊藤が経験した事例では、PC版では順位相応のCTRだったがモバイル版で著しく低いケースがあった。原因はタイトルタグが長すぎてモバイル画面で途中で切れ、肝心の訴求ポイントが表示されていなかったことだ。このようにデバイス別に分析することで、見えなかった課題が浮き彫りになる。
この項のまとめ
伊藤が初めて本格的にCTR改善に取り組んだ際、全ページを均等に改善しようとして失敗した。3ヶ月かけて50ページ修正したが、成果はわずかだった。その後「月間表示回数3,000回以上」「CTRがベンチマークの半分以下」という2つの基準で絞り込み、わずか8ページに集中したところ、1ヶ月で月間クリック数が1,200増加した。Search Consoleのクエリ単位分析で「初心者向け」を求めるユーザーに「上級者向け」タイトルを見せていた致命的なズレも発覚した。優先順位をつけず闇雲に改善するのは時間の無駄だ。
順位別CTR改善戦略:1位・5位・10位で施策を変える
改善対象ページを抽出したら、次は具体的な改善施策に入る。ここで重要なのは、現在の検索順位によって打つべき施策が異なるという点だ。1位と10位では競合との関係性やユーザーの心理状態が全く違うため、画一的な対策では成果が出ない。順位別に最適な戦略を解説する。
1位〜3位:競合との差別化で独占率を高める
すでに上位3位以内に表示されているページは、基本的なSEO対策は成功している。それでもCTRが低い場合、原因は競合との差別化不足だ。検索結果画面で2位・3位のタイトルと並んだ時に、自社のタイトルが埋もれていないか確認する必要がある。
施策①:数字と具体性でクリックを誘発する 「WordPress使い方」というタイトルより「WordPress使い方完全ガイド|初心者が30分で習得できる7ステップ」の方が具体的で魅力的だ。数字を入れることで情報の範囲が明確になり、「30分」という時間の提示で心理的ハードルが下がる。
施策②:最新性や独自性を強調する 「2025年最新版」「実際に50サイト検証した結果」といった要素を加えることで、他の検索結果との差別化ができる。特に情報の鮮度が重要なクエリでは、年号を入れるだけでCTRが1.5倍になることもある。
施策③:ディスクリプションで補足情報を充実させる タイトルで訴求しきれなかった情報をメタディスクリプションで補完する。「この記事では○○の方法だけでなく、よくある失敗例と対処法も解説します」と具体的に書くことで、ユーザーは「求める情報が全て揃っている」と判断できる。
1位表示でCTR30%を超えることも可能だ。伊藤が担当したT市の買取店サイトでは、競合が「買取 T市」というシンプルなタイトルだったのに対し、「T市で高価買取|出張無料・即日現金化・手数料0円|査定実績3,500件」とすることで、1位表示のCTRを34%まで引き上げた。
4位〜7位:検索意図の的確な訴求で上位を追い抜く
4位から7位は「ファーストビューの下部」に位置し、スクロールしなければ見えない順位だ。この位置からクリックを獲得するには、上位サイトが訴求していない角度でユーザーの検索意図に応える必要がある。
施策①:クエリの検索意図を再分析する 「WordPress 使い方」で検索するユーザーは、初期設定を知りたいのか、記事の書き方を知りたいのか、プラグインの使い方を知りたいのか。Search Consoleで関連クエリを見ると、実際には「WordPress 使い方 初心者」「WordPress 記事 書き方」といった複合キーワードで流入している場合が多い。
タイトルをより具体的に「WordPress記事の書き方|初心者でも読みやすい文章を書く5つのコツ」とすることで、漠然と「使い方」を求めるユーザーより、記事執筆に困っているユーザーに刺さるようになる。
施策②:課題解決型のタイトルに変更する 「○○の方法」より「○○できない時の解決策」の方が、困っているユーザーには響く。例えば「WordPress ログインできない」というクエリなら、「WordPressにログインできない7つの原因と即座に解決する手順」とすることで、まさに今困っているユーザーのクリックを獲得できる。
8位〜10位:ロングテールキーワードへの最適化で生き残る
8位から10位は検索結果1ページ目の最下部で、CTRは1〜2%程度まで落ち込む。この順位でCTRを改善するより、より具体的なロングテールキーワードに最適化し、そのキーワードで上位を狙う戦略の方が効果的な場合が多い。
例えば「SEO対策」で10位なら、CTR改善より「SEO対策 中小企業 費用」「SEO対策 初心者 無料ツール」といったより具体的なキーワードでコンテンツを調整し、そのクエリで3位以内を目指す方が現実的だ。
タイトルも「SEO対策の基本」ではなく「中小企業のSEO対策|月3万円以内で始める実践ガイド」と具体化することで、ニッチだが確実にクリックされるページに変わる。
この項のまとめ
最も印象に残っているのは、K氏のレンタルスペースのサイトだ。「レンタルスペース T市」で6位表示、CTR2.8%の状態から、タイトルを「T市レンタルスペース|1時間500円〜・駅徒歩3分・Wi-Fi完備|当日予約OK」に変更した。すると2週間でCTRが7.1%に上昇し、順位も4位に改善した。重要なのは「何が検索者の決め手になるか」を考えること。価格・立地・設備という具体的要素を盛り込んだことで、漠然と「レンタルスペース」を探していたユーザーの目に留まった。順位ごとに戦略を変える重要性を実感した事例だ。

タイトルタグとメタディスクリプションの最適化テクニック
順位別の戦略を理解したら、実際にタイトルタグとメタディスクリプションを書き直す作業に入る。ここで多くの担当者が「どう書けばいいかわからない」と悩む。感覚的に書くのではなく、クリックされるタイトルには明確な法則がある。具体的なテクニックと実例を交えて解説する。
タイトルタグ最適化の5つの鉄則
鉄則①:文字数は28〜32文字以内に収める PCでは32文字程度、モバイルでは28文字程度までしか表示されない。重要な訴求ポイントは前半に配置し、後半が切れても意味が通じる構成にする。「WordPress使い方完全ガイド|初心者が30分で習得できる7ステップ【2025年最新版】」は38文字で長すぎる。「WordPress使い方|初心者向け30分で習得する7ステップ」なら27文字で収まる。
鉄則②:ターゲットキーワードは前半に配置する 検索クエリと完全一致または部分一致するキーワードは太字で表示され、視覚的に目立つ。「初心者向けWordPress使い方」より「WordPress使い方|初心者向け」の方が「WordPress 使い方」で検索した際に認識しやすい。
鉄則③:ベネフィットを明示する 「○○の方法」だけでなく「○○すると△△できる」という結果を示す。「CTR改善方法」より「CTR改善でアクセス2倍|Search Console活用術」の方が、得られる成果が明確だ。
鉄則④:数字で具体性を持たせる 「いくつかの方法」ではなく「7つの方法」、「短時間で」ではなく「30分で」と数値化する。人間の脳は曖昧な表現より具体的な数字に反応しやすい。「SEO対策のポイント」より「SEO対策5つのポイント|初心者が1週間で順位を上げる方法」の方が圧倒的にクリックされる。
鉄則⑤:記号で視覚的なメリハリをつける 「|」「【】」「:」といった記号を使うことで、情報の区切りが明確になり、検索結果画面で目立つ。ただし多用すると逆効果なので、1タイトルにつき1〜2箇所に留める。
メタディスクリプション最適化の実践法
メタディスクリプションは検索結果でタイトルの下に表示される説明文だ。PCでは120文字程度、モバイルでは70文字程度が表示される。ここでの訴求がタイトルを補完し、クリックの最後の一押しとなる。
テクニック①:冒頭でページの内容を端的に要約する 最初の70文字が最も重要だ。「この記事では○○について解説します」ではなく、「○○の3つの原因と即座に解決できる手順を、実例付きで解説」と具体的に書く。モバイルユーザーは70文字しか見えないため、冒頭で興味を引けなければ読み飛ばされる。
テクニック②:タイトルで書けなかった補足情報を追加する タイトルが「WordPress使い方|初心者向け30分で習得」なら、ディスクリプションで「インストールから記事公開まで画像付きで解説。プラグイン設定やSEO対策の基本も網羅」と具体的な内容を示す。これにより「自分が知りたいことが全て載っている」と判断させられる。
テクニック③:ターゲット読者を明示する 「初心者向け」「中小企業の担当者向け」「月間10万PV以上のサイト運営者向け」と対象を明確にすることで、該当する読者は「これは自分のための記事だ」と感じる。逆に該当しない読者は早期に離脱するが、それはミスマッチによる直帰率上昇を防ぐため好ましい。
テクニック④:検索クエリの言葉をそのまま使う Search Consoleで確認した実際の検索クエリの表現を、ディスクリプションにも含める。「WordPress ログインできない」で検索されているなら、「ログインできない時の7つの原因」と同じ表現を使う方が、「アクセスできない」「入れない」といった言い換えより効果的だ。検索クエリと一致する部分は太字表示されるため、視覚的にも目立つ。
競合との比較で差別化ポイントを見つける
実際にリライトする前に、そのクエリで上位表示されている競合3〜5サイトのタイトルとディスクリプションをすべて書き出してみる。並べて比較すると、どのサイトも似たような訴求をしていることがわかる。
その中で自社だけが提供できる独自要素を探す。「実例50件」「業界歴15年」「無料ツール付き」「動画解説あり」といった差別化ポイントをタイトルやディスクリプションに盛り込むことで、同じ順位でもクリック率で競合を上回れる。
この項のまとめ
伊藤が初めてメタディスクリプションの重要性を実感したのは、H氏の買取店M社のサイトだった。「遊戯王カード 買取」で5位表示だったが、ディスクリプションが「当店では遊戯王カードの買取を行っています」という味気ない一文だけ。これを「遊戯王カード高価買取|レアカード査定実績2,800件・宅配無料・即日入金対応。ブルーアイズ3万円、ブラックマジシャンガール2.5万円など最新相場で査定」に変更したところ、2週間でCTRが4.1%から9.3%に跳ね上がった。具体的な買取価格を示したことが決め手だった。

リライト後の効果測定と継続的な改善サイクル
タイトルとディスクリプションを変更したら、それで終わりではない。改善施策の効果を正確に測定し、さらなる最適化を繰り返すPDCAサイクルが不可欠だ。多くの担当者が「変更したが効果があったのかわからない」と曖昧なまま放置してしまう。Search Consoleを使った具体的な効果測定の手順を解説する。
変更前のベースライン数値を記録する
リライトを実行する前に、必ず現状の数値を記録しておく。Search Consoleのパフォーマンスレポートで、対象ページのURLでフィルタリングし、過去28日間の以下の数値をスプレッドシートに記録する。
- 合計クリック数
- 合計表示回数
- 平均CTR
- 平均掲載順位
- 主要クエリ別のCTR(上位5クエリ程度)
日付も必ず記録する。例えば「2025年1月15日時点」と明記することで、後から比較する際に正確な期間設定ができる。また変更内容も記録する。「タイトルを『WordPress使い方』から『WordPress使い方|初心者向け30分習得ガイド』に変更」と具体的に書いておけば、複数ページを改善した際にどの施策が効いたか判別できる。
効果が現れるまでの期間を理解する
タイトルやディスクリプションを変更しても、即座に効果が現れるわけではない。Googleがクロールして新しい内容をインデックスに反映するまで、通常2〜7日程度かかる。さらにCTRの変化が統計的に有意なデータとして現れるまで、最低でも2週間は必要だ。
伊藤の経験では、表示回数が多いページ(月間3,000回以上)なら2週間で効果が見え始めるが、表示回数が少ないページ(月間500回未満)は4週間程度データを取らないと判断できない。焦って1週間で「効果がない」と判断し、また別のタイトルに変更してしまうと、正確な効果測定ができなくなる。
比較期間を正しく設定する
効果測定の際は、Search Consoleの日付範囲設定が重要だ。変更前28日間と変更後28日間を比較するのが基本だが、季節変動や検索トレンドの影響を排除するため、「昨年の同時期」とも比較すると精度が高まる。
例えば3月に変更した場合、「変更前の2月1日〜2月28日」と「変更後の3月15日〜4月11日」を比較する。ただし3月は年度末で検索需要自体が変動しやすいため、「昨年3月」のデータとも照らし合わせることで、CTR改善が施策によるものか、季節要因かを判別できる。
効果測定の3つの判定基準
リライトが成功したかどうかは、以下の3つの基準で判定する。
基準①:CTRが10%以上向上している 例えば変更前CTR4.2%が変更後4.8%なら、上昇率は約14%で改善成功と判断できる。ただし掲載順位が大きく変動していないことが前提だ。順位が5位から3位に上がってCTRが向上したなら、それはタイトル変更ではなく順位変動の影響が大きい。
基準②:クリック数が実数で増加している CTRが上がっても表示回数が減っていれば、トータルのクリック数は変わらない可能性がある。「変更前:表示回数5,000回×CTR4%=200クリック」が「変更後:表示回数4,500回×CTR5%=225クリック」なら、クリック数は25増加しており改善と判断できる。
基準③:掲載順位が維持または向上している タイトルを大幅に変更すると、一時的に順位が下がるケースがある。Googleが新しいタイトルとコンテンツの整合性を再評価するためだ。2週間経っても順位が2つ以上下がったままなら、タイトルとコンテンツの関連性が弱まった可能性があり、再調整が必要だ。
A/Bテストは現実的ではない
理想的にはA/Bテストで「タイトルAとタイトルBのどちらがCTR高いか」を検証したいが、Search ConsoleではページごとのA/Bテストはできない。同じURLに2つのタイトルを同時に設定することは不可能だからだ。
現実的な方法は、類似した条件のページ複数で異なるアプローチを試すことだ。例えば「数字を入れるパターン」と「ベネフィットを強調するパターン」を別々のページで試し、どちらが効果的か傾向を掴む。その知見を他のページにも横展開していく。
継続的な改善サイクルの構築
一度改善したら終わりではなく、3ヶ月ごとに見直すサイクルを作る。検索トレンドは変化し、競合も改善を続けるため、かつて効果的だったタイトルも時間とともに陳腐化する。
伊藤が担当するサイトでは、四半期ごとに「CTRが前期比で10%以上低下したページ」を自動抽出し、競合の最新タイトルと比較して再リライトする仕組みを作っている。Looker Studioで自動レポートを作成すれば、手動チェックの手間を大幅に削減できる。
この項のまとめ
伊藤が最も後悔しているのは、初期の頃「変更したのに効果が見えない」と1週間で判断し、次々とタイトルを変え続けたことだ。結果、どの施策が効いたのか全くわからなくなった。ある時先輩に「最低2週間は我慢して待つべきだ」と助言され、28日間のベースライン記録と28日間の効果測定を徹底したところ、初めて明確な因果関係が見えた。壁紙サイトでは「補修方法」記事のCTRが3.8%から8.1%に改善し、月間クリック数が94から162に増加した。焦らず、記録し、正しく比較する。これが鉄則だ。

Looker Studioで自動判定レポートを構築する
ここまで解説してきたCTR分析を手動で行うと、膨大な時間がかかる。数十ページ、数百ページを抱えるサイトでは、Search Consoleを毎回開いて順位とCTRを確認し、ベンチマークと比較する作業だけで半日潰れてしまう。この非効率を解決するのがLooker Studioだ。一度設定すれば、要改善ページが自動的に判定され、優先順位付きでリスト化される。
Looker Studioとは
Looker StudioはGoogleが提供する無料のBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)だ。Search ConsoleやGA4、Google SpreadsheetなどのデータソースをAPI連携し、グラフやテーブルで可視化できる。最大の利点は、関数を使った自動判定が可能な点だ。
例えば「平均掲載順位が5位以内」かつ「CTRがベンチマークの70%未満」という条件を満たすページを自動抽出し、「要改善」とラベル付けできる。これにより、毎回Search Consoleで手動フィルタリングする手間が不要になる。
Search ConsoleとLooker Studioの連携手順
まずLooker Studioの公式サイト(lookerstudio.google.com)にアクセスし、Googleアカウントでログインする。「作成」ボタンから「データソース」を選択し、コネクタ一覧から「Search Console」を選ぶ。
認証画面で改善対象のサイトを選択し、「サイトのインプレッション」を選択する。これでSearch ConsoleのデータがLooker Studioに接続される。次に「レポートを作成」をクリックし、空白のキャンバスが表示される。
自動判定レポートの作り方
レポート作成画面で「表を追加」を選択し、以下のディメンション(項目)とメトリクス(数値)を設定する。
ディメンション:
- ランディングページ(URL)
メトリクス:
- 合計表示回数
- 合計クリック数
- 平均CTR
- 平均掲載順位
ここまでは単純なデータの表示だが、Looker Studioの真価はここからだ。「計算フィールド」という機能を使い、独自の判定ロジックを組み込む。
CTR判定の計算フィールド作成
右側のメニューから「フィールドを追加」を選択し、計算フィールドを作成する。フィールド名を「CTR判定」とし、以下のような関数を入力する。
CASE
WHEN 平均掲載順位 <= 1 AND 平均CTR < 0.20 THEN "要改善"
WHEN 平均掲載順位 <= 3 AND 平均CTR < 0.08 THEN "要改善"
WHEN 平均掲載順位 <= 5 AND 平均CTR < 0.045 THEN "要改善"
WHEN 平均掲載順位 <= 10 AND 平均CTR < 0.012 THEN "要改善"
ELSE "適正範囲"
ENDこの関数は、1位なのにCTR20%未満、3位なのに8%未満、5位なのに4.5%未満、10位なのに1.2%未満のページを「要改善」と判定する。ベンチマークの約70%を基準値として設定している。
さらに「機会損失クリック数」という計算フィールドも作成すると便利だ。
CASE
WHEN 平均掲載順位 <= 1 THEN 合計表示回数 * (0.276 - 平均CTR)
WHEN 平均掲載順位 <= 3 THEN 合計表示回数 * (0.110 - 平均CTR)
WHEN 平均掲載順位 <= 5 THEN 合計表示回数 * (0.063 - 平均CTR)
WHEN 平均掲載順位 <= 10 THEN 合計表示回数 * (0.016 - 平均CTR)
ELSE 0
ENDこれにより、「本来獲得できたはずのクリック数」が数値化され、改善効果の試算ができる。例えば「このページを改善すれば月間150クリック増加する」という具体的な目標が立てられる。
フィルタと並び替えで優先順位を明確化
作成した表に「フィルタ」を適用し、「CTR判定」が「要改善」のページのみを表示する。さらに「機会損失クリック数」で降順に並び替えれば、最も改善効果が高いページから順に表示される。
「合計表示回数」に最小値フィルタ(例:1,000回以上)を設定すれば、インプレッションが少なすぎて改善効果が薄いページは除外される。これで「改善すべきページのトップ10」が自動的にリストアップされる状態になる。
定期的なモニタリングとアラート設定
Looker Studioのレポートは、データソースが自動更新されるため、常に最新の状態が反映される。ブックマークしておけば、週に1回開くだけで現状把握ができる。
さらに進んだ使い方として、Google Spreadsheetと連携してメール通知を設定する方法もある。Apps Scriptを使えば、「要改善ページが新たに3件以上発生したらメールで通知」といった自動化も可能だ。
伊藤が複数のクライアントサイトを管理する際は、Looker Studioで全サイトのCTR状況を1つのダッシュボードに集約している。これにより、どのサイトのどのページが緊急対応必要かが一目でわかり、限られた時間を最適配分できる。
初心者が躓きやすいポイント
Looker Studioは便利だが、取っつきにくいという声も多い。特に計算フィールドの関数記述で挫折する担当者が多い。最初は上記の関数をコピー&ペーストして使い、慣れてから自分でカスタマイズすることを推奨する。
また「データが表示されない」というトラブルもよくある。原因の多くは日付範囲の設定ミスだ。デフォルトでは「過去28日間」になっているが、Search Consoleのデータ反映には2〜3日かかるため、「3日前まで」に設定すると正確なデータが取得できる。
この項のまとめ
伊藤がLooker Studioを本格導入したのは、3つのクライアントサイトを同時に管理し始めた時だ。毎週Search Consoleを3つ開いて手動チェックしていたが、半日仕事だった。Looker Studioで統合ダッシュボードを作ったところ、確認時間が15分に短縮された。Y氏の左官サイトでも「要改善」と自動判定された8ページを優先改善し、2ヶ月で月間クリック数が310から487に増加した。最初は計算フィールドの関数に戸惑ったが、一度作れば使い回せる。時間をかけて設定する価値は十分にある。

よくある失敗事例とその対処法
CTR改善に取り組む中で、多くの担当者が同じ失敗を繰り返している。伊藤自身も経験し、クライアントサイトでも頻繁に見かける典型的な失敗パターンと、その対処法を解説する。
失敗①:キーワードを詰め込みすぎて不自然なタイトルになる
「WordPress 使い方 初心者 簡単 無料 プラグイン おすすめ」のように、検索されそうなキーワードを無理やり詰め込んだタイトルは、かえってクリック率を下げる。ユーザーは不自然な日本語を見た瞬間に「スパムサイトかもしれない」と警戒し、クリックを避ける。
対処法:主要キーワードは1〜2個に絞り、自然な文章として成立させる。「WordPress使い方|初心者が30分で習得する基本ガイド」のように、読んで意味が通じるタイトルにする。その他のキーワードはメタディスクリプションや本文で補う。
失敗②:タイトルとコンテンツの内容が一致していない
CTRを上げたいあまり、実際の内容以上に魅力的なタイトルをつけてしまうケースだ。「WordPress完全マスター|プロレベルの技術を習得」というタイトルなのに、中身は初歩的なインストール手順だけでは、クリックしたユーザーは即座に離脱する。これは直帰率を上げ、結果的にSEO評価を下げる。
対処法:タイトルはコンテンツの内容を正確に反映させる。誇張表現は避け、「初心者向け」なら初心者向けと明記する。Search Consoleでランディングページの平均セッション時間が30秒未満なら、タイトル詐欺の可能性を疑う。
失敗③:競合のタイトルをそのままコピーする
上位サイトのタイトルが効果的だからと、ほぼ同じタイトルにしてしまう失敗だ。「WordPress使い方完全ガイド」というタイトルが1位から3位まで並んでいたら、ユーザーはどれをクリックすべきか判断できず、結局1位をクリックする確率が高い。
対処法:競合と同じ訴求軸ではなく、自社独自の強みを打ち出す。「WordPress使い方|動画解説付き・質問し放題のサポート付」など、他サイトにない要素を前面に出す。競合分析は「真似るため」ではなく「差別化するため」に行う。
失敗④:季節や年号を更新せず放置する
「2023年版」と書いたタイトルを2025年になっても放置していると、ユーザーは「情報が古い」と判断してクリックしない。特に変化の激しい分野(SEO、SNS、税制、補助金など)では、年号の古さは致命的だ。
対処法:年号を含むタイトルは年1回必ず見直す。内容を更新できないなら、年号を削除して「最新版」といった表現に変える。カレンダーに「タイトル更新チェック」のリマインダーを設定しておく。
失敗⑤:モバイル表示を確認せずリライトする
PCで32文字ぴったりに収めたタイトルも、モバイルでは28文字で切れてしまう。重要な訴求ポイントが後半にあると、モバイルユーザーには伝わらない。現在の検索トラフィックの60〜70%はモバイル経由のため、この失敗は大きな機会損失になる。
対処法:リライト後は必ずスマートフォンで実際の検索結果を確認する。Chromeのデベロッパーツールでモバイル表示をシミュレートしてもよい。重要な訴求は必ず前半28文字以内に入れる。
失敗⑥:効果測定期間が短すぎる
タイトルを変更して3日後に「効果がない」と判断し、また別のタイトルに変えてしまう。Googleのクロールとインデックス更新には時間がかかるため、最低2週間は待つ必要がある。頻繁にタイトルを変更すると、Googleが「このページは何について書かれているのか」を判断できず、順位が不安定になる。
対処法:変更後は最低2週間、できれば4週間は同じタイトルを維持する。その間のデータを記録し、統計的に有意な変化が見られるまで待つ。我慢できない場合は、複数ページで異なるパターンを試し、並行してデータを取る。
伊藤が最も頻繁に見る失敗は①と⑥だ。特に⑥の「すぐに結果を求めてしまう」は、経営層からのプレッシャーがある担当者に多い。「2週間待ってから判断する」という方針を事前に上司と合意しておくことで、焦らず改善に取り組める環境を作ることが重要だ。

サイト改善の全体像を解説「 Search ConsoleとGA4で成果を出すSEO改善の全手順」
こちらの関連記事も併せてご覧ください。「サイト改善」を総論的に解説しています。
編集後記
Search ConsoleのCTR改善は、SEO施策の中で最も即効性がある。順位を1つ上げるには数ヶ月かかるが、タイトルを変えれば2週間で結果が出る。伊藤自身、最初の2年間は「順位を上げること」だけに執着し、CTRという概念すら知らなかった。3位なのにアクセスが伸びず悩んでいた時、先輩から「検索結果画面で魅力的に見えているか?」と問われて初めて気づいた。順位という固定値ばかり見て、タイトルという変動値を軽視していたのだ。あなたのサイトにも、今日から改善できる「宝の山」が眠っている。Search Consoleを開き、CTRの低いページを1つ見つけて、タイトルを書き直してみてほしい。小さな一歩が、大きな成果に繋がる。

講師紹介
株式会社ボンセレ 代表取締役
伊藤 祐介(いとう ゆうすけ)
❖ プロフィール
東京出身の“氷河期世代”。
身長182cm、見た目は大きめ、中身は細かめ。
公務員からスタートし、フレンチレストラン、築地魚河岸、ワインショップなど、業種も業界も超えて現場を経験。のちに広告代理店、EC支援、WEB制作へと軸足を移し、現在は複数企業のWEB戦略を支援。実務と現場視点に根ざした教育者です。
❖ 専門領域
WEBマーケティング/EC戦略立案
コンテンツ企画・制作
広告運用(SNS/検索)
顧客接点の設計とCRM支援
❖ 教育観・講義スタンス
「右腕は、育てることができる」。
人は“経験”だけでは変わりません。
変化するのは、思考のプロセスを鍛えたとき。
私は現場から、企画・広告・制作・接客・分析まで、すべての工程を実践してきました。だからこそ、「考えて動ける右腕」を育てるには、手を動かし、振り返り、問い直す場が必要だと考えています。
❖ 右腕育成にかける思い
「社長の想いを言語化し、現場に翻訳する存在」が右腕です。
単なるWEB人材ではなく、“経営を理解し、支える人材”を育てたい。
ひとつの強みを見つけ、自分にしかできない貢献の形を築く――
それが、このプログラムのゴールです。
❖ 私のルーツ
仮説実験授業(板倉聖宣 提唱)
科学的な思考法とディスカッションベースの学びに影響を受ける。プログラミングとの出会い
高校時代にBasicからスタート。VBAでの業務改善からWEB制作へ。
❖ 好きなこと
食べること・飲むこと・考えること。
最近のブームは激辛料理(ブートジョロキア)。
