#1 マーケティング「セグメンテーション」の新常識

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【新常識】なぜあなたのマーケティングは響かないのか?「デモグラの崩壊」とセグメンテーションの真実

導入:日常に潜む「価格の違和感」への問いかけ

私たちは日常生活の中で、同じ商品であるにもかかわらず、場所によって価格が劇的に変動する現象に遭遇します。例えば、1本のコーラ。コンビニエンスストアで購入すれば300円超という価格設定も見受けられますが、リッツ・カールトンのルームサービスで注文すれば、それは1杯1,000円の価値へと跳ね上がります。
この700円近い差額は、単なる「場所代」という言葉で片付けられるものではありません。それは、戦略的な「文脈価値」の差です。
これまで多くの企業が、4P(Product, Price, Place, Promotion)やSTP(Segmentation, Targeting, Positioning)といったフレームワークを金科玉条のように守ってきました。しかし、デジタルシフトが加速し、顧客の価値観が細分化された現代において、これら古典的手法の「解釈」は根本的なアップデートを迫られています。本記事では、現代マーケティングにおける「新常識」を、実戦的なコンサルティングの視点から解き明かします。

テイクアイウェイ 1:場所が価格を決める —— 「4P」におけるコンテクストの重要性

マーケティングの基本要素である4Pにおいて、Place(場所)とPrice(価格)は独立した変数ではなく、強固に連動した「一対の戦略」です。ソース資料が示す「300円台のコンビニのコーラ」と「1,000円のリッツ・カールトンのコーラ」の対比は、まさにこの事実を象徴しています。
分析・考察: この圧倒的な価格差は、顧客の「支払意欲(Willingness to Pay)」が商品スペックではなく、提供される「コンテクスト(文脈)」によって規定されることを証明しています。豪華な空間、パーソナライズされたサービス、そして非日常という状況が、コーラというプロダクトの価値を再定義しているのです。つまり、Placeの選定は単なる流通経路の確保ではなく、Priceの決定権を握るための高度な意思決定に他なりません。
場所によって価格も影響を受けてくるということになります。
この視点が欠落したままでは、いかに優れた商品を開発しても、価格競争の泥沼から抜け出すことは不可能です。

テイクアイウェイ 2:STP戦略の心臓部は「セグメンテーション」にある

フィリップ・コトラーが提唱したSTP戦略の中で、実務上最も重い意味を持つのが「セグメンテーション(市場細分化)」です。なぜなら、ここでの分類が、その後のマーケティング活動すべての「意思決定の妥当性」を左右するからです。
セグメンテーションは、プロモーション、すなわちAIDMAモデルにおける「Attention(アテンション:認知)」をいかに効率よく獲得するかという土台となります。
分析・考察: 戦略立案におけるセグメンテーションは、いわば「最初のボタン」です。ここを掛け違えると、後続のターゲティングやポジショニングがどれほど精緻であっても、施策全体が的外れなものに終わり、膨大な広告予算をドブに捨てることになります。市場をどう切り取るかという「切り口」の設計こそが、マーケティングの成否を分ける心臓部なのです。

テイクアイウェイ 3:衝撃の事実 —— 「デモグラフィック」の崩壊

現代マーケティングにおいて、最も直視すべき現実は「デモグラの崩壊」です。かつて有効だった年齢、性別、居住地域といったデモグラフィック(人口統計学的属性)によるセグメンテーションは、もはや顧客を捉えるための有効な指標ではなく、ノイズにすらなり得ます。
ここで興味深い事実があります。最新のAIにセグメンテーションを依頼すると、依然として「年齢・性別・地域」といった旧来の属性をリストアップしてくるという点です。これは、AIが学習している過去のデータが、すでに現実の市場変化から乖離し始めていることを示唆しています。
分析・考察: これからの時代、重視すべきは「誰か(属性)」という記号ではなく、その商品が「Web向きの商品であるか」という適正や、「いつ、どこで、なぜ」という行動・状況(オケージョン)です。 価値観が多様化した現在、同じ30代男性、同じ都内在住であっても、その行動原理は一人ひとり全く異なります。むしろ、特定の趣味嗜好を持つコミュニティや、特定の課題に直面している瞬間といった「文脈」こそが、セグメンテーションの真の切り口となります。記号的な属性データに固執することは、もはやマーケティングにおけるリスクでしかありません。

結論:これからのマーケティングに求められる視点

従来のフレームワークを機械的に踏襲するだけの時代は、すでに終焉を迎えました。場所が価格を左右し、従来の属性データが機能しなくなる中で、私たちマーケターに求められているのは、変化し続ける顧客の「価値変容」をリアルタイムに捉え、定義し直す力です。
「Web向きの商品か」というチャネル特性の理解と、デモグラに頼らない状況ベースのセグメンテーション。この2つが、デジタル時代の競争優位性を構築するための必須条件となります。
結びの問いかけ: あなたのターゲットは、「30代男性」という空虚な記号の中に本当に存在していますか? その「記号」を剥ぎ取ったとき、顧客が真に価値を感じる「瞬間」を、あなたは定義できているでしょうか。

ボンセレ代表 伊藤祐介

講師紹介

株式会社ボンセレ 代表取締役
伊藤 祐介(いとう ゆうすけ)

 

❖ プロフィール

東京出身の“氷河期世代”。
身長182cm、見た目は大きめ、中身は細かめ。

公務員からスタートし、フレンチレストラン、築地魚河岸、ワインショップなど、業種も業界も超えて現場を経験。のちに広告代理店、EC支援、WEB制作へと軸足を移し、現在は複数企業のWEB戦略を支援。実務と現場視点に根ざした教育者です。


❖ 専門領域

  • WEBマーケティング/EC戦略立案

  • コンテンツ企画・制作

  • 広告運用(SNS/検索)

  • 顧客接点の設計とCRM支援


❖ 教育観・講義スタンス

「右腕は、育てることができる」。
人は“経験”だけでは変わりません。
変化するのは、思考のプロセスを鍛えたとき。

私は現場から、企画・広告・制作・接客・分析まで、すべての工程を実践してきました。だからこそ、「考えて動ける右腕」を育てるには、手を動かし、振り返り、問い直す場が必要だと考えています。


❖ 右腕育成にかける思い

「社長の想いを言語化し、現場に翻訳する存在」が右腕です。
単なるWEB人材ではなく、“経営を理解し、支える人材”を育てたい
ひとつの強みを見つけ、自分にしかできない貢献の形を築く――
それが、このプログラムのゴールです。


❖ 私のルーツ

  • 仮説実験授業(板倉聖宣 提唱)
     科学的な思考法とディスカッションベースの学びに影響を受ける。

  • プログラミングとの出会い
     高校時代にBasicからスタート。VBAでの業務改善からWEB制作へ。


❖ 好きなこと

食べること・飲むこと・考えること。
最近のブームは激辛料理(ブートジョロキア)。