♯01 Webマーケティングの構造再考|広告費高騰時代に利益を残す内製化・改善ガイド

マーケティングを改めて再定義しよう

マーケティング=広告という「誤解」とWebがもたらした内製化の変革

多くの企業、特に若い世代の担当者は「マーケティング=ウェブ広告(プロモーション)」だと捉えがちです。しかし本講座におけるマーケティングの定義は、「商品やサービスが効率よく売れる仕組みづくり」そのものです。

本来マーケティングには「調査」「分析」「商品企画」「販売促進(広告)」という4つの要素があり、これまではそれぞれ専門会社へ個別に外注するのが一般的でした。ところがWebの登場によって、これら全工程を自社内で完結させる「オールインワン」化が可能になっています。さらに近年のAIの進化により、かつて広告代理店や制作会社が独占していた専門知識が一般化し、少しの学習で十分に内製化できる時代へと突入しました。

その一方で、Web制作・運用の現場では補助金頼みの案件が乱発し、「一撃で100万円ほど請求されながらデザインだけで中身が伴っていないサイト」や、知識不足のまま運用を任される担当者も少なくないという実務の不都合な真実も存在します。

要点

  • マーケティングは「広告」ではなく「効率よく売れる仕組みづくり」である
  • Webとナレッジの一般化により、調査・分析・企画・販促の内製化が可能になった
  • 内製化ブームの裏側で、知識不足による失敗事例も増えている

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WEBで結果が出ない理由は意外にシンプルだ

この回で扱った理論とトピック

3大メディア(ペイド・アーンド・オウンド)の役割分担

広告(ペイド)は即効性があるが深い理解やブランディングには向かず、SNS(アーンド)は第三者の声で信頼を補完する。結果が出るまで時間がかかるオウンドメディア(自社サイト)が、最も深い訴求力と信頼を得られる中核メディアとなる。

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4P・STPとセグメンテーションの限界

価格設定は「どこで売るか」で価値が変わるフィロソフィーである。STP戦略における最重要要素「セグメント」は、年齢・性別・地域といった属性(デモグラフィック)による切り分けが現代では機能しにくくなっている。

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属性から価値観(サイコグラフィック)への転換

消費者は購入前に必ず検索を行い、信頼できる製品ストーリーに触れて初めて購入へ至る。大量生産・大量消費時代に有効だった属性分析は、価値観が多様化した現代では効果を発揮しにくい。

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ECの利益構造とバスケット単価の壁

客単価4,000円を下回ると手数料や配送料に圧迫され、売っても利益が残らない構造に陥る。持続には粗利5割以上の維持が条件となる。

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プロが見るWEBサイトの要点

「止まり木」×レンタルスペース事例|社会的価値との掛け合わせが生む差別化

後半では、レンタルスペースを運営するY.Kさんのリアルな相談が取り上げられました。「利用者にウェブページを作って集客をかけようとしているが、利用者にそこまでの熱意がなく、知り合いでなんとかなると思われているため進捗が悪い」という現場の悩みです。

伊藤氏はまず、Webマーケティングを仕掛ける2つのメリットを提示しました。

  1. 商圏の突破:実店舗だけでは届かない地域へのアプローチ
  2. データの蓄積:ブログや顧客情報をコンスタントに貯めていくこと

その上で、Y.Kさんのサイトが抱える課題も指摘されました。トップページに「会議室」「コワーキングスペース」「キッチンレンタル」という異なる情報が混在し、Googleにも一般ユーザーにも「何のサイトか」が伝わらない状態になっていたのです。

議論はここから、コモディティ化したレンタルスペース業界における「Y.Kさんの場所ならではの差別化」へと深まります。Y.Kさんのスペースには、元学校教員として36年のキャリアを持つT.S氏が定期的に地域住民の悩み相談を受ける「止まり木(まちの相談室)」という取り組みがあり、不登校や発達障害、鬱などに悩む父兄や子どもたちが週に5〜10人ほど訪れているといいます。

参加者のT.Yさんはこれを聞き、レンタルスペースという看板を前面に出すのではなく、「豊かな人生になっていくプロセス」というコンセプト自体をブランディングすべきだと提案しました。これまで県外のユーザーにとって単なる商品としか見えなかった焼き菓子や作品も、その背景にあるストーリーが伝われば、購入理由に変わります。

伊藤氏はこれに強く同意し、中小企業がイノベーションを起こすのは難しく、改良と「掛け合わせ」による生き残りこそが中小企業マーケティングの基本だと語りました。他の参加者からも、スペックではなく「そこに集まる人の生々しいストーリー」を前に出すべきだという具体的な意見が相次ぎ、その場にいた全員が確信を共有する瞬間となりました。

要点

  • 表面的な機能訴求ではなく、そこにしかいない「人」のストーリーが差別化の核になる
  • 社会的価値(マーケティング3.0)と商業活動の掛け合わせが、ローカルビジネスにも当てはまる
  • 属性ではなく背景の理解が、県外ユーザーの購入動機を生む

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結び|一時的な熱量で終わらせない、継続的な学びと定点観測

勉強会の最後、伊藤は参加者に向けてある「告白」をしました。自社サイトには、なんとGoogleアナリティクスすら入っておらず、現状のアクセスは「1日1件」程度だったというのです。

「『紺屋の白袴』とはまさに弊社のこと。これがオウンドメディアの構築によって半年後、1年後にどう変わるかを、私自身が身をもって体現して皆さんにお見せしたい」

伊藤はそう語り、自らが実践の証明となることを約束しました。

また、前回の勉強会以降、手が止まってしまっている他メンバーの事例にも触れ、次のように締めくくりました。

「当初いくらモチベーションが高くても、時間とともに低下してしまう。だからこそ月1回この勉強会でリテンション(再保持)し、『みんなも頑張っているから自分も頑張ろう』と思えるコミュニティとしての場が重要なのです」

要点

  • 伊藤自身が「アクセス1日1件」の状態から、実践の過程を公開すると宣言
  • 一時的なモチベーションではなく、月1回の継続が学びの定着に不可欠
  • 勉強会はコンテンツ提供の場であると同時に、リテンションのためのコミュニティでもある

理論の続きは、週1回30分の相談会で

「マーケティングとは何か」という総論だけでも、実務に落とし込むには継続的な学びが必要です。本講座は月1回、全10回シリーズの「メタ思考のグリア」として開催しており、今回ご紹介した理論はすべて実際の受講生からの質問・相談をもとに深掘りしています。

オンラインサロン「メタ思考のグリア」の詳細はこちら

Googleにもユーザーにも好かれるサイト構造を考えよう

講義実録:Google評価UP!情報整理でサイト改善!

あなたのサイトは「情報の迷宮」になっていないか?「ユーザーに伝えたい価値が多すぎて、気づけばトップページがあらゆる要素で溢れかえっている」——。これは、多くのサイト運営者が陥る**「情報の過密化」という罠**です。良かれと思ってすべての情報をトップページに集約した結果、サイトが本来持つべき「専門性」が希釈され、ユーザーも検索エンジンも出口を見失う「迷宮」と化してはいないでしょうか。

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4pとSTPを再定義しよう

講義実録:マーケティングの「セグメンテーション」新常識

私たちは日常生活の中で、同じ商品であるにもかかわらず、場所によって価格が劇的に変動する現象に遭遇します。例えば、1本のコーラ。コンビニエンスストアで購入すれば300円超という価格設定も見受けられますが、リッツ・カールトンのルームサービスで注文すれば、それは1杯1,000円の価値へと跳ね上がります。

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商品でなくライフスタイルを売ろう

講義実録:マーケティング進化論:大量生産からライフスタイルへ

なぜ、あなたのマーケティングは「届かなく」なったのか?かつてのように、良いモノを作り、広く告知すれば売れるという時代は、もはや過去のものとなりました。現代の消費者は、単なる「モノ」としての機能や所有を求めているわけではありません。私たちは今、「大量生産・大量消費」を前提とした画一的な社会から、一人ひとりの**「生き方(ライフスタイル)」**が重視される時代への大きな転換点に立っています。

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ボンセレ代表 伊藤祐介

講師紹介

株式会社ボンセレ 代表取締役
伊藤 祐介(いとう ゆうすけ)

 

❖ プロフィール

東京出身の“氷河期世代”。
身長182cm、見た目は大きめ、中身は細かめ。

公務員からスタートし、フレンチレストラン、築地魚河岸、ワインショップなど、業種も業界も超えて現場を経験。のちに広告代理店、EC支援、WEB制作へと軸足を移し、現在は複数企業のWEB戦略を支援。実務と現場視点に根ざした教育者です。


❖ 専門領域

  • WEBマーケティング/EC戦略立案

  • コンテンツ企画・制作

  • 広告運用(SNS/検索)

  • 顧客接点の設計とCRM支援


❖ 教育観・講義スタンス

「右腕は、育てることができる」。
人は“経験”だけでは変わりません。
変化するのは、思考のプロセスを鍛えたとき。

私は現場から、企画・広告・制作・接客・分析まで、すべての工程を実践してきました。だからこそ、「考えて動ける右腕」を育てるには、手を動かし、振り返り、問い直す場が必要だと考えています。


❖ 右腕育成にかける思い

「社長の想いを言語化し、現場に翻訳する存在」が右腕です。
単なるWEB人材ではなく、“経営を理解し、支える人材”を育てたい。
ひとつの強みを見つけ、自分にしかできない貢献の形を築く――
それが、このプログラムのゴールです。


❖ 私のルーツ

  • 仮説実験授業(板倉聖宣 提唱)
     科学的な思考法とディスカッションベースの学びに影響を受ける。

  • プログラミングとの出会い
     高校時代にBasicからスタート。VBAでの業務改善からWEB制作へ。


❖ 好きなこと

食べること・飲むこと・考えること。
最近のブームは激辛料理(ブートジョロキア)。