セールストークの誤りをフィードバック

サービスの説明が伝わらないのはなぜか——営業ロールプレイングが暴いた「当たり前化」の罠と脱出法

※この記事はオンラインサロンの内容を元に作成しています。

紙媒体の企画制作からWeb制作まで、媒体を問わず「伝える」現場に関わってきた立場から断言できることがある。媒体が変わっても、伝わらない原因は同じだ。自社サービスへの理解が深いほど、その魅力は「当たり前」になり、見えなくなる。本記事では実際の営業ロールプレイングから浮き彫りになった「伝わらない構造」と、今日から使える改善の視点をお届けする。

機能は裏付けでしかない、魅力をシンプルに伝える方法を解説

読んで欲しい人

  • 新規事業や自社サービスの営業を担当しているが、「話は聞いてもらえるのに、なぜか契約につながらない」と感じている方
  • 自分のサービスや強みを説明しようとすると言葉に詰まる、あるいは説明が長くなりすぎると悩んでいる中小企業の経営者・担当者
  • 営業トークや提案資料を改善したいが、何をどう直せばいいか糸口がつかめていない方
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ロールプレイングの全体像を解説「 媒体資料はどう作る?作成のコツをフィードバック」

こちらの関連記事も併せてご覧ください。「ロールプレイング」の概要と解説をしています。

機能は裏付けでしかない、魅力をシンプルに伝える方法を解説

理念は伝わる、でもサービスが伝わらない——なぜそのギャップが生まれるか

「話し方は上手なのに、結局何屋さんなのかわからなかった」

これは、営業担当者のスキル不足を指摘した言葉ではない。むしろ逆だ。話が流暢で、業界への熱量も伝わる。それでもなお、顧客の頭の中には「で、何をしてくれるの?」という疑問が残ったままになる。この構造は、新規事業や革新的なサービスを持つ営業担当者であれば、一度は経験する壁である。

なぜこのギャップが生まれるのか。原因は「近すぎること」にある。

人は他人のことはよく見える。友人の口癖、同僚の癖、競合他社の弱点。距離があるから客観視できる。ところが自分自身のこととなると、とたんに解像度が落ちる。自社サービスも同じだ。毎日触れ、考え、語り続けているうちに、そのサービスの魅力は「当たり前」になっていく。当たり前になったものは、説明しようとしても言葉にならない。空気の大切さを普段意識しないのと同じ原理だ。

これを「当たり前化」と呼ぶ。サービスへの理解が深まるほど、逆説的に説明力が落ちていく現象である。

広告代理店で紙媒体の企画に携わっていた頃から、この問題は業種や媒体を問わず繰り返し目にしてきた。チラシでも、パンフレットでも、Webページでも、伝わらない案件には共通した構造がある。作り手が「これは当然わかるだろう」と思っている部分が、受け手には何も伝わっていない。媒体が変わっても、この構造だけは変わらない。

では、どうすれば抜け出せるか。答えは「第三者の目を借りること」だ。

自分では見えないものも、外から見れば一瞬でわかる。顧客からの率直なフィードバック、ロールプレイングでの気づき、あるいは全く業界を知らない人への説明練習。いずれも「近すぎてぼやけた視点」をリセットするための有効な手段だ。本記事で紹介する営業ロールプレイングの事例も、まさにこの「第三者の目」が機能した瞬間の記録である。

理念が伝わることは、スタートラインに立てた証拠だ。次の課題は、その理念を「具体的なサービス」として顧客の頭の中に届けることにある。

このセクションのまとめ

  • サービスへの理解が深まるほど魅力が「当たり前化」し、説明力が逆に落ちていく
  • 伝わらない原因は話し方のスキルではなく、「近すぎて客観視できない」という認知構造の問題である
  • 第三者の目を借りることが、この盲点を解消する最も確実な手段だ
ボンセレ代表 伊藤祐介

紙もWEBも同じ

紙媒体もWebも、長年「伝える仕事」に関わってきて気づいたことがある。伝わらないことを恥じる必要はまったくない。むしろ、自分のサービスに本気で向き合ってきた証拠だと思っている。熱量があるから当たり前化する。愛着があるから距離が取れなくなる。それは誠実さの裏返しだ。ただ、そこで止まってはもったいない。第三者の目を一度借りるだけで、長年見えなかったものが突然クリアになる瞬間がある。その瞬間を、ぜひ体験してほしい。

情報を単純化して伝える、簡単なようで難しい

実際のロールプレイングで起きたこと

今回の舞台は、左官業界向けWebプラットフォーム「壁ダン」の営業ロールプレイングだ。営業担当のY.Kさんが、実際のH.Rさんを相手に営業トークを披露し、第三者がフィードバックを行うという形式で進められた。

Y.Kさんの営業トークは、決して下手ではなかった。左官業界が抱える構造的な課題、デジタル化の遅れ、職人の技術が正当に評価されにくい現状——これらを熱量を持って語り、H.Rさんも「お話が上手なので、すんなり入ってきた」と評している。トークスキルという点では、十分な水準にあった。

しかし、約48分にわたる説明が終わったとき、H.Rさんの口から出た言葉はこうだった。

「結局は、何をしてくれるところなのかなっていうふうに思いました」

企業ページを作ってくれるのか。Web運営を代行してくれるのか。それとも業界全体のプラットフォームなのか。聞き手の頭の中では、最後まで答えが出なかった。さらに春花さんは、提示されたデータについても「何をもとにした数字なのか」「いつ頃調べたものなのか」という疑問を率直に口にした。数字があることで逆に不信感が生まれるという、データ提示の落とし穴にも陥っていた。

なぜこうなったのか。構成を振り返ると、理念の説明から始まり、業界課題、サービス概要、料金体系という順序で進んでいた。一見、筋道が通っているように見える。しかし「壁ダンとは何をするサービスなのか」という最も根本的な問いへの答えが、この構成の中では後回しになっていた。聞き手は冒頭から「いつ本題が来るのだろう」という宙吊りの状態に置かれたまま、48分間を過ごすことになった。

もう一点、見逃せない問題がある。フィードバックの場で「壁ダンのMVP(最も重要な提供価値)は何か」と問われたとき、Y.Kさんはすぐに答えを出せなかった。これは準備不足ではない。自社サービスの価値を「一言で言うと何か」という問いに、当事者が答えられないのは、前のセクションで述べた「当たり前化」が起きているサインだ。毎日そのサービスと向き合っているからこそ、かえって輪郭が見えなくなっていた。

顧客の率直な言葉は、時に痛みを伴う。しかしこのロールプレイングでH.Rさんが投げかけた疑問は、Y.Kさんの営業を否定したものではない。「もっとちゃんと知りたい」という関心の裏返しだ。伝わらなかったことへの失望ではなく、伝わる余地がまだあるという証拠として受け取ってほしい。

このセクションのまとめ

  • トークスキルが高くても、「何をするサービスか」が最後まで伝わらなければ営業は成立しない
  • 自社サービスのMVPを一言で言えない状態は、当たり前化が進んでいるサインである
  • 顧客からの率直な疑問は否定ではなく、「伝わる余地がある」という可能性の表れだ
ボンセレ代表 伊藤祐介

顧客は何に反応しているか?

このロールプレイングを見ていて、Y.Kさんの誠実さと熱量は本物だと感じた。だからこそ、もったいなかった。紙媒体の仕事に関わっていた頃も、同じ場面を何度も見てきた。作り手が一番伝えたいことを、受け手が一番わからないまま終わる。その原因はいつも同じで、「何を届けるか」より先に「どれだけ伝えるか」に意識が向いてしまっていることだ。量を増やしても、伝わる量は増えない。届けるべき一点を決めることが、すべての出発点になる。

伝えたい事は理念なのか?

顧客が本当に困惑していた3つのポイント

営業トークの後、H.Rさんが感じた困惑は「なんとなくわからなかった」という曖昧なものではない。振り返ってみると、困惑には明確な構造があった。以下の3つのポイントに整理すると、同じ課題を抱える多くの営業担当者にとって、自分事として捉えやすくなるはずだ。

① 「何屋さんなのか」が最後までわからなかった

顧客が営業トークを聞くとき、頭の中では常に「この人は自分に何をしてくれるのか」という問いが動いている。この問いに対する答えが早い段階で提示されないと、その後の説明はすべて「答えのない問いの補足」として積み上がっていく。聞き手の頭の中は、情報の受け皿ができないまま情報だけが降り注ぐ状態になる。

壁ダンの営業では、業界課題や理念の説明が先行した。結果として「企業ページを作ってくれるのか、それともWeb運営全般を担うのか」という最も基本的な問いが、48分間宙に浮いたままになった。どんなに正確な情報を伝えても、受け皿がなければ顧客の頭には何も残らない。サービスの輪郭を最初に示すことは、その後の説明すべてを生かすための土台となる。

② 話の全体像が見えないまま進んだ

人は「どこに向かっているかわからない話」を聞き続けることに、想像以上のストレスを感じる。目次や全体像の提示がない状態では、聞き手は常に「まだ続くのか、いつ本題が来るのか」という不安を抱えたまま話を追うことになる。内容の理解より、終わりを探すことにエネルギーを使ってしまう。

これは話し手の意識と聞き手の体験の間にある、典型的なギャップだ。話し手は「順を追って丁寧に説明している」と感じている。しかし聞き手は「どこに連れて行かれるかわからない」と感じている。冒頭に「今日は3つのことをお伝えします」と一言添えるだけで、聞き手の体験は大きく変わる。構成の見せ方は、内容と同じくらい重要だ。

③ データの根拠が見えず、逆に不信感が生まれた

数字は信頼を生む道具だが、使い方を誤ると逆効果になる。月間ページビュー数やユーザー層のデータを提示した場面で、春花さんは「何をもとにした数字なのか」「いつ頃調べたものなのか」という疑問を率直に口にした。数字があること自体への不信ではなく、数字の出どころが見えないことへの不信だ。

根拠のないデータは、提示しないより悪い場合がある。「なんとなく権威付けのために使っている」という印象を与えてしまうからだ。データを使うなら、調査時期・調査対象・出典をセットで示す。それだけで数字の説得力は格段に上がる。逆に言えば、出どころを示せないデータは、使わない勇気も必要だ。

このセクションのまとめ

  • サービスの輪郭を冒頭で示さないと、どんなに丁寧な説明も顧客の頭に残らない
  • 話の全体像を最初に提示するだけで、聞き手のストレスと理解度は大きく変わる
  • データは出どころを示して初めて信頼になる。根拠のない数字は逆効果になりうる
ボンセレ代表 伊藤祐介

前提として明確にすべき事

この項で言及した3つの要素は、紙媒体の仕事でも、Webの仕事でも、判で押したように同じ場所で同じ問題が起きる。特に①については、長年見てきた中で確信していることがある。「何屋さんか」を最初の一文で言い切れる人は、総じて営業が強い。一文で言えないということは、自分の中でまだ整理しきれていないサインだ。厳しいようだが、それは同時に「整理すれば必ず伝わるようになる」という希望でもある。焦らず、一つずつ言葉を磨いていってほしい。

「ウェブは手段だ」——伝える構造を整理する視点

ロールプレイングへのフィードバックの中で、最も核心をついた指摘がある。

「ウェブは手段です。見せるための道具であって、目的ではない。そこを目的にしてしまうと、大きな間違いを起こします」

この一言は、壁ダンの営業に限った話ではない。Web関連のサービスを扱う営業担当者が、最も陥りやすい構造的な罠を言い当てている。「Webサイトを作ります」「ページを制作します」という説明から入ると、Webに関心のない顧客は最初の一言で「自分には関係ない」と判断してしまう。興味を持ってもらう前に、扉が閉まる。

では何を伝えるべきか。答えは「目的」だ。

壁ダンの場合、本当に届けたい価値は「Webサイト」ではない。「左官職人の技術が正当に評価され、価値の高い仕事が生まれる状態をつくること」だ。Webサイトはそのための手段に過ぎない。この順序が逆になると、手段の説明に終始して、顧客が本当に聞きたかった「自分にとって何が変わるのか」という問いに、最後まで答えられないまま終わる。

目的・手段・方法を整理する

伝える構造を整理するうえで、まず「目的」「手段」「方法」の3つを明確に区別することが出発点になる。

目的とは、顧客にとって何が変わるかだ。売上が上がる、信頼が積み上がる、問い合わせの質が変わる——顧客の生活や事業に起きる具体的な変化がここに入る。手段とは、その目的を達成するために使うものだ。Webサイト、チラシ、SNS、営業資料——これらはすべて手段である。方法とは、手段をどう使うかの具体的なプロセスだ。

営業トークの多くは、この3つが混在したまま進んでいる。目的を語っているつもりが手段の説明になっていたり、方法の話が目的のように扱われていたりする。Y.Kさんのケースでも、「業界のデジタル化」という目的と「Webサイト制作」という手段が、聞き手の中で整理されないまま積み上がっていった。

MVPを一言で言えるか

もう一つ、営業の構造を整えるうえで欠かせない問いがある。「あなたのサービスのMVP(最も重要な提供価値)は何か」だ。

これは一文で答えられなければならない。一文で言えないということは、顧客の頭にも一文では残らないということだ。長い説明の中に価値が埋まっていても、顧客はそれを掘り起こしてはくれない。営業担当者が「これだ」と決めた一文を、会話の最初に置く。それだけで、その後の説明すべてが意味を持ち始める。

壁ダンであれば「左官職人が価値の高い仕事を獲得できる仕組みをつくります」という一文が、MVPの言語化に近い。Webという言葉は、ここには出てこない。出てくる必要がないからだ。Webが何かを知らない顧客でも、この一文なら自分事として受け取れる。

「失注しない理由」ではなく「選ばれる理由」を語る

フィードバックの中でもう一点、実践的な指摘があった。一括見積もりサイトとの違いを説明する場面で「失注しない」という表現が使われていたが、これは避けるべきだという指摘だ。

顧客は「失注しないサービス」を買いたいのではない。「自分の事業がよくなる理由」を聞きたいのだ。失注という概念は営業側の都合であり、顧客の文脈には存在しない言葉だ。伝えるべきは「なぜ選ばれるのか」であり、その企業固有の強みや特色を活かしたページ制作をしているという点にこそ、顧客が聞きたい価値がある。自社の都合の言葉を、顧客の利益の言葉に置き換える。この変換が、伝わる営業と伝わらない営業を分ける。

このセクションのまとめ

  • Webや媒体はあくまで手段であり、顧客に届けるべきは「目的=何が変わるか」である
  • MVPを一文で言えない状態では、どれだけ説明を重ねても顧客の頭には残らない
  • 営業トークの言葉は、常に「自社の都合」から「顧客の利益」へ置き換えて考える
ボンセレ代表 伊藤祐介

素人は戦略を語り、プロは兵站(へいたん)を語る

「ウェブは手段」という話は、紙媒体の時代から変わらない本質だ。チラシも、パンフレットも、Webページも、それ自体に価値があるわけではない。顧客の手元に届いて、何かが変わって初めて意味を持つ。長年この仕事をしていて思うのは、媒体に詳しくなるほど媒体の話をしたくなるという罠だ。詳しいからこそ、手段の話に熱が入る。でも顧客が聞きたいのは、自分の未来の話だ。その視点を手放さないでほしい。

自社サービスを他人の目で見るための実践チェック

ここまで読んで、「自分にも同じ問題があるかもしれない」と感じた方のために、すぐに使える実践的な視点をまとめる。難しいフレームワークは必要ない。まず自分の営業トークや提案資料を、以下の問いに照らし合わせてみてほしい。

チェック① サービスを一文で言えるか

「あなたのサービスは何ですか」と突然聞かれたとき、10秒以内に答えられるか。答えに詰まるなら、顧客の頭にも残っていない可能性が高い。一文で言えるまで削る作業を、まず営業トークの前に行う。削れないなら、まだ整理しきれていないサインだ。業界用語やカタカナ語を使わず、小学生に説明するつもりで書いてみると、輪郭が見えてくることが多い。

チェック② 冒頭30秒で「顧客にとって何が変わるか」を伝えているか

自社のサービスや実績の話から入っていないか。顧客が最初に聞きたいのは「自分の事業や生活がどう変わるか」だ。冒頭30秒を録音して聞き返してみると、自分がどれだけ「自社の話」から入っているかに気づく。顧客の変化を先に語り、手段であるサービスの説明は後に回す。この順序を入れ替えるだけで、話の受け取られ方は大きく変わる。

チェック③ 話の全体像を最初に示しているか

「今日は3つのことをお伝えします」「10分ほどお時間をいただきます」という一言を、冒頭に置いているか。これがあるだけで、聞き手は安心して話を聞ける状態になる。地図を持たずに知らない街を歩くのと、地図を持って歩くのでは、同じ距離でも体感がまったく違う。話の地図を最初に渡すことは、礼儀であり、戦略でもある。

チェック④ 使っているデータに出どころを示せるか

数字を使う場面で「この数字はいつ、どこから取ったものか」を即答できるか。答えられないデータは、使わない方がいい。根拠のない数字は信頼を生まない。それどころか、誠実さへの疑念を生む場合がある。使うデータは少なくていい。ただし、出どころと調査時期をセットで示すことを徹底する。

チェック⑤ 業界を知らない人に説明して、理解してもらえるか

家族や友人など、自分のサービスをまったく知らない人に説明してみる。質問が出た箇所が、説明の抜け穴だ。「それってどういうこと?」「つまり何をしてくれるの?」という反応が返ってくる部分は、顧客も同じように感じている可能性が高い。業界外の人に伝わる言葉は、業界内の人にも必ず伝わる。逆は成立しない。

チェック⑥ ロールプレイングを定期的に行っているか

自分の営業トークを客観視する機会を、意図的につくっているか。一人での練習には限界がある。第三者に顧客役を頼み、率直なフィードバックをもらう機会を定期的に設ける。痛みを伴うフィードバックほど、価値がある。顧客から「わからなかった」と言われる前に、安全な場で気づける環境をつくることが、営業力を高める最も確実な方法だ。

このセクションのまとめ

  • 「一文で言えるか」「冒頭30秒で顧客の変化を語れるか」の2点だけで、営業トークの課題の大半は見えてくる
  • データは出どころをセットで示すことで初めて信頼になり、根拠のない数字は逆効果になりうる
  • 業界外の人に伝わる言葉を基準にすることで、専門性の罠から抜け出せる
ボンセレ代表 伊藤祐介

失敗は成功の元

このチェックリストは、私自身が長年の現場で痛い目を見ながら積み上げてきたものだ。広告代理店時代、何度もクライアントに「これで伝わるはずだ」と確信して出した企画が、まったく刺さらなかった経験がある。そのたびに気づかされたのは、自分が「伝えた」と思っている量と、相手が「受け取った」量の間には、想像以上の開きがあるということだ。だから怖がらず、定期的に自分の言葉を外にさらしてほしい。そのたびに、言葉は確実に研ぎ澄まれていく。伝わらないことは終わりではない。伝わるようになるための、通過点だ。

「理念は伝わった。でも、何屋さんなのかわからなかった」——この一言に、伝わる営業と伝わらない営業の分岐点がある。

本記事で見てきたように、伝わらない原因はスキルの問題ではない。自社サービスへの理解が深まるほど魅力が当たり前化し、客観視が難しくなるという、人間の認知構造そのものの問題だ。どれだけ熱量があっても、伝える構造が整っていなければ、顧客の頭には何も残らない。逆に言えば、構造を整えるだけで、今の言葉のまま伝わり方は大きく変わる。

まず一文。サービスを一文で言い切ることから、すべては始まる。


あなたのサービス、一文で言えますか?

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紙媒体からWebまで、長年「伝える現場」に関わってきた伊藤が、第三者の目であなたのサービスの輪郭を一緒に整理します。営業資料の構成、トークの順序、MVPの言語化まで、具体的な改善ポイントをお伝えします。

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編集後記

資料をそのまま読み上げる営業は、残念ながら机の前でしか練習していない。顧客は資料を読めば内容はわかる。わざわざ時間を取って話を聞くのは、資料の向こうにいる「人」を見極めるためだ。資料はあくまで地図である。全ページを順番に読み上げる必要はない。話しながら顧客の表情やしぐさを観察していれば、どの話題で目が輝き、どこで興味が薄れるかは自然と見えてくる。その反応にこそ、次に展開すべき道筋が示されている。ポジティブな反応があった要素を深掘りすれば、顧客自身が「もっと聞きたい」という状態になる。地図は、顧客と一緒に歩くためにある。Y.Kさんには、ぜひその一歩を踏み出してほしい。

ボンセレ代表 伊藤祐介

講師紹介

株式会社ボンセレ 代表取締役
伊藤 祐介(いとう ゆうすけ)

 

❖ プロフィール

東京出身の“氷河期世代”。
身長182cm、見た目は大きめ、中身は細かめ。

公務員からスタートし、フレンチレストラン、築地魚河岸、ワインショップなど、業種も業界も超えて現場を経験。のちに広告代理店、EC支援、WEB制作へと軸足を移し、現在は複数企業のWEB戦略を支援。実務と現場視点に根ざした教育者です。


❖ 専門領域

  • WEBマーケティング/EC戦略立案

  • コンテンツ企画・制作

  • 広告運用(SNS/検索)

  • 顧客接点の設計とCRM支援


❖ 教育観・講義スタンス

「右腕は、育てることができる」。
人は“経験”だけでは変わりません。
変化するのは、思考のプロセスを鍛えたとき。

私は現場から、企画・広告・制作・接客・分析まで、すべての工程を実践してきました。だからこそ、「考えて動ける右腕」を育てるには、手を動かし、振り返り、問い直す場が必要だと考えています。


❖ 右腕育成にかける思い

「社長の想いを言語化し、現場に翻訳する存在」が右腕です。
単なるWEB人材ではなく、“経営を理解し、支える人材”を育てたい
ひとつの強みを見つけ、自分にしかできない貢献の形を築く――
それが、このプログラムのゴールです。


❖ 私のルーツ

  • 仮説実験授業(板倉聖宣 提唱)
     科学的な思考法とディスカッションベースの学びに影響を受ける。

  • プログラミングとの出会い
     高校時代にBasicからスタート。VBAでの業務改善からWEB制作へ。


❖ 好きなこと

食べること・飲むこと・考えること。
最近のブームは激辛料理(ブートジョロキア)。